• "減災"(/)
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  1. 大阪府議会 2012-05-01
    05月24日-03号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    平成24年  5月 定例会本会議    第三号 五月二十四日(木)◯議員出欠状況(出席百八人 欠席〇人 欠員一)      一番  笹川 理君(出席)      二番  横山英幸君(〃)      三番  やまのは 創君(〃)      五番  岩谷良平君(〃)      六番  山本けい君(〃)      七番  杉江友介君(〃)      八番  藤村昌隆君(〃)      九番  杉本太平君(〃)      十番  伏見 隆君(〃)     十一番  柴谷匡哉君(〃)     十二番  岡下昌平君(〃)     十三番  釜中優次君(〃)     十四番  西尾博道君(〃)     十五番  後藤太平君(〃)     十六番  中村広美君(〃)     十七番  置田浩之君(〃)     十八番  永藤英機君(〃)     十九番  紀田 馨君(〃)     二十番  池下 卓君(〃)    二十一番  うるま譲司君(〃)    二十二番  中村麻衣君(〃)    二十三番  徳村 聡君(〃)    二十四番  小林雄志君(〃)    二十五番  金城克典君(〃)    二十六番  堀口和弘君(〃)    二十七番  みつぎ浩明君(〃)    二十八番  荻田ゆかり君(〃)    二十九番  岡田義信君(〃)     三十番  澤田貞良君(〃)    三十一番  橋本和昌君(出席)    三十二番  奥野康俊君(〃)    三十三番  和田賢治君(〃)    三十四番  富田武彦君(〃)    三十五番  中野稔子君(〃)    三十六番  竹下 隆君(〃)    三十七番  坂上敏也君(〃)    三十八番  藤原敏司君(〃)    三十九番  新田谷修司君(〃)     四十番  山下浩昭君(〃)    四十一番  大橋章夫君(〃)    四十二番  肥後洋一朗君(〃)    四十三番  内海久子君(〃)    四十四番  栗原貴子君(〃)    四十五番  しかた松男君(〃)    四十六番  吉田保蔵君(〃)    四十七番  前田佳則君(〃)    四十八番  曽呂利邦雄君(〃)    四十九番  中川隆弘君(〃)     五十番  くち原 亮君(〃)    五十一番  吉村善美君(〃)    五十二番  森 みどり君(〃)    五十三番  宗清皇一君(〃)    五十四番  出来成元君(〃)    五十五番  加治木一彦君(〃)    五十六番  八重樫善幸君(〃)    五十七番  川岡栄一君(〃)    五十八番  大山明彦君(〃)    五十九番  垣見大志朗君(〃)     六十番  林 啓二君(〃)    六十一番  青野剛暁君(〃)    六十二番  久谷眞敬君(〃)    六十三番  古川照人君(出席)    六十四番  宮本一孝君(〃)    六十五番  鈴木 憲君(〃)    六十六番  西田 薫君(〃)    六十七番  森 和臣君(〃)    六十八番  上島一彦君(〃)    六十九番  中野隆司君(〃)     七十番  松本利明君(〃)    七十一番  西 惠司君(〃)    七十二番   欠員    七十三番  浦野靖人君(〃)    七十四番  西野修平君(〃)    七十五番  西野弘一君(〃)    七十六番  尾田一郎君(〃)    七十七番  土井達也君(〃)    七十八番  東  徹君(〃)    七十九番  三田勝久君(〃)     八十番  大橋一功君(〃)    八十一番  岩木 均君(〃)    八十二番  阿部賞久君(〃)    八十三番  清水義人君(〃)    八十四番  樋口昌和君(〃)    八十五番  谷川 孝君(〃)    八十六番  三浦寿子君(〃)    八十七番  奴井和幸君(〃)    八十八番  上の和明君(〃)    八十九番  堀田文一君(〃)     九十番  北口裕文君(〃)    九十一番  宮原 威君(〃)    九十二番  中村哲之助君(〃)    九十三番  半田 實君(〃)    九十四番  花谷充愉君(〃)    九十五番  朝倉秀実君(出席)    九十六番  岩見星光君(〃)    九十七番  三宅史明君(〃)    九十八番  杉本 武君(〃)    九十九番  岩下 学君(〃)      百番  今井 豊君(〃)     百一番  中野まさし君(〃)     百二番  永野孝男君(〃)     百三番  浅田 均君(〃)     百四番  岡沢健二君(〃)     百五番  奥田康司君(〃)     百六番  横倉廉幸君(〃)     百七番  冨田健治君(〃)     百八番  北川法夫君(〃)     百九番  吉田利幸君(〃)     百十番  酒井 豊君(〃)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         石川晴久     次長         神田経治     議事課長       北中春男     総括補佐       大河内隆生     課長補佐(委員会)  米澤清美     主査(議事運営総括) 竹林義浩     主査(議事運営総括) 佐藤 実     主査(議事運営総括) 高山泰司    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第三号 平成二十四年五月二十四日(木曜)午後一時開議 第一 議案第一号から第十八号まで、報告第一号から第十三号まで及び第一号諮問(「工事請負契約締結の件(道路改良事業)」ほか三十一件)    (質疑・質問)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件    ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○議長(浅田均君) これより本日の会議を開きます。    -------◇------- ○議長(浅田均君) 日程第一、議案第一号から第十八号まで、報告第一号から第十三号まで及び第一号諮問、工事請負契約締結の件(道路改良事業)外三十一件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 通告により柴谷匡哉君を指名いたします。柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) 民主党・無所属ネット大阪府議会議員団の柴谷匡哉でございます。 今回、初めての本会議での質問となります。何とぞ御指導いただきますようよろしくお願いを申し上げます。 それでは、通告に従いまして順次質問をいたしてまいります。 初めに、義務づけ、枠づけの見直しについてお伺いをいたします。 国の地域主権改革として、これまで国が一律に決定し、自治体に義務づけしてきた基準、施策等を自治体が条例の制定等によりみずから決定し、実施できることとなりました。府の義務づけ、枠づけの見直しと条例制定権の拡大への対応については、積極的に府の実情に即した独自の基準見直しを行い、府民生活に密着した課題についての地域主権改革を進めるべきと考えますが、府の基本的な考え方について知事にお伺いをいたします。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 柴谷議員の質問にお答えをいたします。 義務づけ、枠づけの見直しについてなんですが、地域主権、地方分権改革の最も重要な点は、地方が担う事務は地方みずからの判断と責任で決定をし、地域の実情に合った最適な行政サービスの提供を実現していくことです。今回の義務づけ、枠づけの見直しは、これまで国が全国一律に決定していたさまざまな基準を大阪府にふさわしい形に見直していくチャンスであります。今後、関係各方面の御意見もお伺いしながら、府の実情に即した基準になるよう検討を進めるとともに、基準の合理性や妥当性についてきちっと説明責任を果たしてまいりたいと思います。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) 知事から、大阪府の実情に即した基準となるよう検討を進めるとの前向きな御答弁をいただきましたが、児童、高齢、障がい等の施設の整備運営基準等についても、平成二十四年度から条例化の方針が打ち出され、平成二十五年度には実施する必要があることから、全国の自治体においてそれぞれ条例化に向けて取り組んでいるところです。大阪府においては、本年九月議会に上程し、平成二十五年四月実施の方向であると聞いています。 社会福祉施設は、児童、高齢、障がい等多種にわたり、関係する条例だけでも二十六条例にわたっています。これまで、大阪の福祉は、地域住民や当事者の要望等に基づき、行政や関係団体が知恵を出し合って取り組んできた結果、全国の平均以上、あるいは全国をリードする立場で大きく進展してきた経緯があります。 ところが、今回の条例化に当たって、府は、基準のほとんどを国基準に準じる方向で検討しているとも聞いております。これでは、これまでの府民とともに大阪府が積み上げてきた成果が、国基準にとの口実で引き戻されてしまうのではと危惧を抱かざるを得ません。 近年の地方分権の流れの中で、本来の地域間競争とは、行政サービス、施策の充実度を競い合うことを通じて、住民の満足度を高めていき、地域社会に貢献していくことでございます。府としては、児童、高齢、障がい等の施設の整備運営基準等の条例化に当たっては、これまでの経過を踏まえるとともに、それぞれの施設関係者からも十分意見を聞いた上で、これまで積み上げてきた府民サービスが、安易に国基準にすることで著しく後退しないよう条例化に取り組むべきと考えますけども、福祉部長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 福祉部長井手之上優君。 ◎福祉部長(井手之上優君) 社会福祉施設の基準条例に関します大阪府の取り組みについてお答えいたします。 社会福祉施設等に係ります基準の条例委任に当たりましては、国からは、従うべき基準、それから参酌すべき基準、それと標準という三つが示されているところでございます。今回、国から示されました基準のうち、従うべき基準につきましては、それを緩めることや独自の内容を追加することについては許されないというところでございます。一方、参酌すべき基準及び標準につきましては、地方が十分に参酌した結果であれば、地域の実情に応じて独自の内容で定めることができるというふうになっているところでございます。 議員の御指摘のとおり、府としましては、府民福祉の向上を図るべく、これまで国に対しまして改善を要望しました。現在の国基準には、その内容が一定反映されているというところでございます。なお、今回国から示されました基準は、これらが反映された内容であるということから、住民サービスの後退にはつながらないというふうに考えております。 今回の条例化に当たりましては、大阪の実情に応じた基準となるために、パブリックコメントはもちろん、府の社会福祉審議会のもとに設けます検討の場におきまして児童、高齢、障がい等の各分野から、それぞれ学識経験者、それから利用者や事業者の方々等々に参画いただくなど、府民から広く意見をお伺いしまして、府としての基準を定めることとしているところでございます。 府としましては、地方の判断と責任で決定できるという地域主権の趣旨にかんがみまして条例を制定いたしますけども、今後、基準の見直しが必要となった場合にも、適切に対応してまいる所存でございます。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) ぜひ、よろしくお願い申し上げます。 次に、介護保険財政安定化基金特別活用事業並びに地域包括ケア体制整備事業についてお伺いをいたします。 介護保険の制度改正の中で、都道府県に設置されている介護保険財政安定化基金に関する改正があり、これまでこの基金の取り崩しが財政安定化のための貸し付け、交付に伴う取り崩しに限定されていたものを、都道府県の判断で、貸し付けや交付のため必要な額を除き、第一号被保険者の介護保険料の負担軽減を図るため、市町村に交付することができることとされました。また、市町村への交付額と同額が府にも返還されることになり、これまで介護保険の埋蔵金とやゆをされておりました約二百億円近い基金が取り崩しの対象であるわけです。 これを受け、府は、介護保険財政安定化基金特別活用事業において、取り崩した額のうち三十五億円は国への返還、三十五億円は保険料抑制のために市町村等への交付、残りの三十五億円は府が活用することとしています。近年、厳しい財政状況の中で運営されている福祉施策にあって、当初予算のうち二億円もの大規模な財源がここに捻出されました。 ついては、今般、府活用事業として創設された地域包括ケア体制事業基本的考え方について、福祉部長にお伺いをいたします。 ○議長(浅田均君) 福祉部長井手之上優君。 ◎福祉部長(井手之上優君) 地域包括ケア体制整備事業の基本的な考え方についてお答えいたします。 今後とも想定されます高齢者人口の増加に伴いまして、要介護、要支援認定者も大幅に増加し、介護保険料の上昇が予想されますことから、市町村におきましては、保険料の抑制に向けた取り組みをこれまで以上に行うことが重要でございます。 このため、今回、地域包括ケア体制整備事業を創設しまして、介護予防、認知症予防、その他給付費抑制に資する事業に取り組む市町村に対しまして、平成二十六年度までの三年間に総額六億円、一年間で二億円の財政的支援を行うというふうにしております。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) 介護報酬制度では、介護度が上がれば介護報酬も上がり、努力の結果、介護度が下がれば介護報酬は下がってしまうといった矛盾があります。平成二十三年九月定例会の代表質問及び健康福祉常任委員会では、このような矛盾を解消するため、インセンティブの導入も必要であると提案したところであり、橋下前知事からも、確かにこの点は矛盾を感じているとの答弁をいただいています。また、現在の介護保険制度における老年人口の増加を背景として、今後、介護給付費の増加も見込まれます。 これらを踏まえ、将来の給付費を考えると、介護予防の充実による認定率の低下が給付費用抑制に不可欠であると考えます。仮に、介護予防を講じたにもかかわらず、認定率の上昇に歯どめがかからない場合においても、単価の抑制も可能であるとも考えられ、将来の給付費を考えると、介護予防の充実が給付費抑制に不可欠であると考えます。介護度を下げた成果に対するインセンティブ制度介護予防事業の充実は、給付費の抑制にもつながるものであり、税財源を原資とする公費負担や社会保険料負担の軽減を図ることにもなります。 このような課題もある中、先ほど説明のあった地域包括ケア体制整備事業は、交付金を政令市、中核市を除く市町村に交付するとなっていますが、事業内容は、介護予防事業、認知症予防、その他給付抑制に資する事業の三つのテーマに沿って取り組む事業に限定をされています。このようにテーマを絞ることは、市町村の独自性を損ねることになってしまいます。 地域包括ケア体制整備事業については、市町村の裁量に任せた事業計画を可能とすべきと考えますけども、御所見を福祉部長にお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 福祉部長井手之上優君。 ◎福祉部長(井手之上優君) 地域包括ケア体制整備事業の実施に係りますテーマの設定についてお答えを申し上げます。 議員お示しのとおり、介護予防等を適切に行い、高齢者の方々に元気に暮らしていただくことが要介護認定率の低下にもつながるというふうに考えております。本年度から実施いたします地域包括ケア体制整備事業につきましては、保険料の抑制を目的とする三つのテーマで各市町村から幅広く事業を提案してもらいまして、それに対しまして府は財政面でのバックアップと適切な助言を行うというふうにしております。 議員の御提案の市町村の独自性を重視した事業という視点も大切でございます。今後の課題として受けとめてまいりたいというふうに思います。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) 市町村では、介護給付費が増大することによる保険料上昇が大きな課題になっていることから、介護予防等に地域の特性を生かした創意工夫がなされるものと思います。冒頭で松井知事は、地方みずからの判断と責任が重要と答弁されました。ならば、市町村の自主性に任せてもよいのではないのでしょうか。この六億円もの大規模な財源を単に型どおり、あるいは定石どおりの使い方に限定するのではなく、平成二十五年度以降については、今年度の各市町村の取り組み状況、事業の成果を見きわめるとともに、市町村独自の創意工夫が引き出されるような制度となりますようお願い申し上げます。 次に、社会福祉法人への指導監査事務等の権限移譲についてお伺いをいたします。 大阪府では、大阪発地方分権改革ビジョンに基づき、府内市町村への特例市並みの権限移譲を進めており、府内市町村においては、権限移譲実施計画案が策定されております。また、平成二十四年四月には、改正介護保険法の施行により、これまで大阪府が行っていた事務の一部について指定都市と中核市に権限が移譲されたところです。 画面をごらんください。 さらに、平成二十五年四月には、社会福祉法の改正に伴い、社会福祉法人の事務についても一般市に権限移譲が予定されています。権限が移譲された市町村についてどのような状況になるのか、とても気になるところでございます。 そこで、大阪の福祉サービス向上を目指す観点から、事業者や法人に対し、地域の実情に応じたきめ細やかな指導が重要になると考え、この視点から福祉部長に質問をいたします。 権限移譲に関して懸念する一例ではございますけども、大阪府の社会福祉法人に対する指導監査では、複数施設を有する大規模法人を中心に、会計検査の専門家である公認会計士が同行した指導監査を実施しています。大阪府の社会福祉法人に対する指導監査は、監査に関する豊富な知識と経験を有する職員と会計の専門家である公認会計士が同行したレベルの高い指導監査が行われてきました。 しかし、権限移譲を受けたばかりの市町村では、大阪府と同レベルの監査が困難と思われ、とりわけ市町村間において指導監査のレベルにばらつきが発生してくるのではないかと懸念をしております。 また、小規模な市町村では、人員の確保や財政状況も厳しく、ましてや公認会計士の同行がままならない場合もございます。府が実施してきた高いレベルの指導監査が保てない場合も想定されます。監査のレベルのばらつきは、社会福祉法人の混乱ばかりではなく、府内の福祉・介護サービスの低下、府民福祉の低下を招くと言っても過言ではございません。たとえ権限が移譲されても、大阪府として、権限移譲後も市町村へのフォローアップが必要と私は認識をしております。 権限移譲に関する一事例ではありますけども、社会福祉法人指導監査事務において、今後、市町村に対してどのようなフォローアップを予定しているのか、その基本的な考え方を福祉部長にお示しをいただきたいと思います。
    ○議長(浅田均君) 福祉部長井手之上優君。 ◎福祉部長(井手之上優君) 法人指導監査の市町村への権限移譲に係ります大阪府の支援につきまして、お答えを申し上げます。 社会福祉法人の所管権限の移譲に伴います市町村への支援につきましては、平成二十二年度より、移譲予定の市町村職員を研修生として順次受け入れまして、実務を通じまして人材養成を図っているところでございます。加えまして、昨年度からは、移譲される事務全般につきまして研修会を開催するとともに、今年度より新会計基準の研修会を開催しまして、会計検査等に関する実務能力の向上にも努めているところでございます。 また、公認会計士による監査を希望します市町村には、府の監査に同行いただいております公認会計士を紹介するに当たりまして、関係団体に協力を求めているところでございます。 さらに、府域の指導監査の均一化を図る、これが重要でございます。そのために、圏域ごとにブロック連絡会を設置しまして、指導監査における課題等の意見交換でありますとか、情報の共有化を図ることとしております。 今後も、議員お示しの大阪の福祉サービス向上を目指した観点、これをしっかり受けとめまして、移譲した当初におきましては、市町村の求めに応じまして府職員が同行いたしましたり、懸案のある法人の指導に関しまして助言や相談に応じるなど、適切に支援してまいります。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) 大阪府は、移譲市町村からの求めに応じてという受け身ではなく、積極的に市町村のバックアップを行うなどにより、円滑な権限移譲に努めていただくようお願いを申し上げます。 次に、金融経済教育についてお伺いをいたします。 画面をごらんください。 近年、金融関係のトラブルが急増しており、府の再チャレンジ支援プラザの返済困難者の相談件数を見ても、平成二十三年度の相談件数が二十二年に比べ二・七倍となっています。金融経済教育は、社会全体で進めるべきではありますが、経済金融環境が近年大きくかつ急速に変化する中で、生活者個人にも自己責任が求められている場面もふえてきており、行政がどこまで金融経済教育を行うべきかは、賛否両論がございます。 行政が行うべき金融経済教育を考えていく上で、まずは自己責任を負うこと自体が困難な、いわゆる社会的な弱者と位置づけられる皆さんを対象として特化すべきであると考えております。借金問題や投機による被害等金融関係のトラブルについては、特に高齢者や知的障がい者などの社会的弱者と言われる方がターゲットになりやすく、損失が出る可能性があるにもかかわらず、必ずもうかると勧誘されたり、リスクについて十分な説明がないまま、実態のわからない高額な出資契約を結ばされたりするケースも目立ちます。 また、劇場型勧誘など悪質な販売手口も問題となっており、これらは知識不足がトラブルの背景にあると考えられます。高齢者の方は、三つの大きな不安、お金、健康、孤独を持っていると言われています。悪質業者は、言葉巧みにこれらの不安をあおり、親切にして信用させ、年金、貯蓄などの大切な財産をねらうのです。 このようなトラブルに遭わないための最大の武器は、情報です。大きな不安であるお金や健康、孤独を解消し、正しい情報を知らせ、みずから防衛することが、消費者被害を防ぐ最大の要素です。そのためには、各地域における自治会活動を通じ、消費者教育を含め、高齢者を対象とした金融経済教育を実施することも効率的であると考えます。 また、認知症高齢者の方々がトラブルに巻き込まれないようにするために、家族等のキーパーソンや介護支援専門員、民生委員など、本人の生活に深くかかわりを持つ皆さんへの金融経済教育も必要と考えますが、商工労働部長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 商工労働部長笠原哲君。 ◎商工労働部長(笠原哲君) 金銭トラブルから高齢者を守るに当たっての金融経済教育の進め方についてお答えを申し上げます。 金融経済教育は、生活設計、金銭管理に関する理解や消費者トラブルを未然に防止する力の育成、さらには仕事や職業に対する理解をはぐくむことなど、幅広い分野を含むものであり、現代社会に必須のものと言われております。社会全体で、対象者ごとに最も適切な内容、方法で取り組むことが必要と考えております。 高齢の方々につきましては、収入が年金だけとなった後、借金の返済が困難となったり、金融被害に遭われる事例が少なくありません。要因としては、問題初期の段階で、借金があることや被害を隠す傾向があること、さらには身近に相談する方がいないといった問題があることを指摘できるのではないかと考えております。まずは、高齢者御自身が、身近なところで御相談をいただき、問題解決につなげていくことができる環境づくりが重要であると認識をしております。 現在、市町村に対しまして、借金問題の解決を初め、生活再建に積極的なかかわりを持っていただくよう働きかけを進めているところでございます。今後は、御指摘のことを踏まえまして、認知症高齢者など必要な方に適切な金融経済教育の取り組みが進むよう、個別市町村ごとに学習会や研究会等の開催支援、あるいは啓発活動に当たりますキーパーソン等への情報提供を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) 金融経済教育は、幅広い内容を含んでおり、府では、まずは若年層や学習面で課題を抱えた方向けに日常生活に引き寄せて認識させることができるよう、具体的事例に即した問題対応・生活再建型の教材づくりに取り組むと聞いておりますが、このような取り組みは、全国でもなかなか例を見ないものだと思います。 行政のつくる啓発冊子あるいは教材は、多目的ではありますが、残念ながら結果として効果が薄いものが多く見受けられます。ついては、金融経済教育のための教材づくりについては、利用対象者等を明確にした上で、有効な活用方法まで踏まえた全国自治体の模範となるような教材とすべきと考えますが、いかがでしょうか、商工労働部長にお伺いをいたします。 ○議長(浅田均君) 商工労働部長笠原哲君。 ◎商工労働部長(笠原哲君) 金融経済教育、とりわけ問題が深刻化する事例も少なくない若年層や学習面で課題を抱えている方への教材につきましては、有識者並びに庁内関係課の参画もいただきまして、年内には結論を得るよう検討を進めてまいりたいと考えております。 このように対象を絞った教材は、他府県等では例のない取り組みでもございまして、お示しのように包括的、抽象的なものとせず、具体的事例に即した問題対応・生活再建型のものとしてまいりたいと考えております。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) ぜひ、全国自治体の模範となるように頑張っていただきたいと思います。 次に、学校の体育活動中の事故についてお伺いをいたします。 大阪府教育行政基本条例第一条では、府教委及び知事が相互に協力しながら、それぞれの責任を果たし、保護者及び地域住民その他の関係者のニーズを踏まえつつ、子どもたちにとって将来にわたり必要となる力をはぐくむ教育の振興に資することを目的とするとうたわれております。学校は、子どもたちの健やかな成長と自己実現を目指して学習活動を行うところであり、その基盤として、安全で安心な環境が確保されている必要があります。現在、全国で相次いで起こっている通学中の事故や、防犯、防災対策や学校の体育活動の事故等さまざまな問題があります。 ついては、知事の学校における安全安心についての基本認識をお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 学校における安全安心の確保というものの基本認識についてお答えしますが、全国各地でさまざまな事件事故により、何の罪もない子どもたちが被害に遭っていることに胸を痛めております。子どもたちが危険な目に遭うことのないように守るのが、我々大人の務めであります。 学校は、子どもにとって学習活動の中心となる場であるとともに、一日の大半を過ごす生活の場所でもあります。議員御指摘のとおり、子どもたちが安全で安心に学習活動等に励むことができる環境を整備することが第一であり、学校はもちろん、通学路も含めて、安全安心の確保にしっかりと取り組んでいきたいと思ってます。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) ただいま、知事より児童生徒等の安全の確保が重要との御答弁をいただきました。 しかし、学校現場においては、体育授業での事故は後を絶たない現実がございます。先日も、体育の柔道の授業中、先生に投げられた生徒が、自力で通院ができないけがをし、通院しなければならないが、家族も仕事があり、通院の送り迎えができないので、どうにかしてほしいと生徒の保護者が訴えるといった事例もあったと聞いております。 画面をごらんください。 そこで、平成二十三年度の府内の小中高等学校の学校管理下でけがをした児童生徒の総数を見てみますと、八万二千九百六十四人にも上っており、私も、この件数の多さに驚いたところです。このうち、体育の授業でのけがは、小学校で七千二百四十八件、中学校で五千九百三十六件、高等学校で三千八百四十七件、合計一万七千三十一件となっております。 学校管理下で起こった事故によるけが等の治療費は、学校の設置者が加入している日本スポーツ振興センターから、医療費総額の四割が災害給付金として保護者に支払われます。しかし、重症等の場合は、全く不十分な給付額です。国家賠償法に基づく損害賠償額の支払い事例では、治療費はもとより、療養雑費、付き添い看護費、通院・退院交通費、車いす代等が含まれます。また、府民感覚としても、学校管理下で教員の故意または過失によって児童生徒がけがをした場合は、治療、通院等も含めたすべてを学校側が支払うべきと考えます。 ついては、府教委として、学校や教員の故意または過失によって生徒がけがをした場合の通院に係る交通費等についても、リスクや負担を被害に遭った生徒やその家族に負わすことのないようにすべきと考えますけども、いかがでしょうか。 また、四月からは、中学校体育の武道必修化で、事故増加も懸念されています。府教委は、市町村に対しても、学校の体育活動中の事故防止について徹底を図ることは当然であり、学校の管理下で教員の故意または過失により負傷した場合、個別案件ごとに丁寧に対応するよう指針を示すべきであると考えますが、いかがでしょうか、あわせて教育長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 教育長中西正人君。 ◎教育長(中西正人君) 学校で起こった事故につきましては、各学校におきまして事故の原因の精査、学校や教員の負うべき責任の割合等を考慮いたしまして、それぞれの事案について個別に対応しているところでございます。その際には、議員御指摘の点も踏まえまして、事故に遭われました児童生徒や保護者の思いをしっかりと受けとめ、負担が減らせるよう、できる限りの努力をいたしたいと考えております。 教育委員会といたしましては、これまでも学校体育活動の事故防止の研修会を開催するなどの取り組みを進めてまいりましたが、学校管理下での事故は、常に起こり得るものであるという認識のもと、中学校武道必修化なども踏まえまして、今後とも事故防止対策の充実に取り組んでまいりたいと考えております。また、不幸にして事故が発生いたしました際には、当該の府立学校や市町村教育委員会からの相談に対しまして、必要に応じ情報提供や助言等を行いますなど、適切な支援を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(浅田均君) 柴谷匡哉君。 ◆(柴谷匡哉君) 改めて申しますが、そもそも武道やスポーツには、けががつきものです。保護者の皆さんにとっても、武道が必修になった現在、子どもさんが授業でけがをしないか心配になります。しかし、必修の場合には、生徒に選択の余地はありません。保護者の不安を少しでも減らすとともに、また不幸にもけがをした児童生徒が安心できるよう、できる限りの措置を要望し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(浅田均君) 次に、中村麻衣君を指名いたします。中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) 本日、三十九歳になりました。三十九歳、独身、子どもなし。大阪維新の会大阪府議会議員団の中村麻衣です。 一般質問の機会をちょうだいいたしましたので、通告に従い、順次御質問させていただきます。大変緊張しておりまして、お聞き苦しい点もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。 まず初めに、大阪府における収入未済額の解消への取り組みについてお伺いいたします。 ただいま収入未済額の解消と申し上げましたが、要するに未収債権の管理及び回収と置きかえれば、民間の企業経営においてもごく普通に取り上げられる経営課題と同じです。会社を経営されている松井知事なら、おわかりだと思います。 民間の企業経営においては、売り上げアップや原価コントロールなどと同じく、売掛金などの未収債権の回収は大変大きな課題です。総務省によりますと、二〇一〇年の地方自治体における累積滞納額は、地方税だけでも約二兆円、これとは別に国民健康保険料や介護保険料など他の主な地方自治体の公金の滞納額として一兆円を超えているため、先ほどの地方税分と合わせると、地方自治体の収入未済額は三兆円に上るとされています。 こうした状況の中、多くの自治体では、このような公金債権の回収に力を入れ始めていると聞いています。このような状態は、私ども大阪府におきましても例外ではございません。税収がなかなか上がらない中、収入未済額は六百億円近くとなっています。今議会に上程されております大阪府立高等学校の授業料等支払い請求に関する調停にかわる決定の件、その授業料などもここに含まれるのではないかと思います。 そこで、大阪府では、こうした未収債権の回収に向けてどのような取り組みをされているのか、またその取り組みはどの程度進んでいるのかについて、総務部長にお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 総務部長小西禎一君。 ◎総務部長(小西禎一君) 収入未済額の解消に向けた取り組みについてお答えを申し上げます。 本府におきましては、平成二十二年十一月に、債権の回収及び整理を総合的かつ計画的に推進することを目的といたしました大阪府債権の回収及び整理に関する条例を制定したところでございます。この条例に基づきまして、貸付施策などを所管する部局長は、債権管理者として、毎年度、滞納債権ごとに回収及び整理の処理目標を定める債権回収整理計画を策定し、滞納債権の圧縮に取り組んでいるところでございます。 平成二十二年度の実績で申し上げますと、収入未済額のうち、市町村が賦課徴収を行う個人府民税などを除く三百四十二億円について取り組みを行いました。その結果、処理実績額は百二十七億円となり、収入未済額は前年度を下回り、増加傾向に歯どめをかけることができたところでございます。引き続き、取り組みを強めてまいります。 ○議長(浅田均君) 中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) 御答弁ありがとうございました。 大阪府債権の回収及び整理に関する条例を制定し、債権の回収や整理に関する目標を定めて取り組まれた結果、取り組みの前と比べ、毎年積み上がり続けていた収入未済額が減少したとのただいまの御答弁でありました。しかし、回収すべき公金債権の件数、金額はまだまだ高水準にあり、今後も継続して、いかに効率的に回収整理していくかについて考えなければなりません。 現在、幾つかの自治体で取り組みが始まっている方法といたしましては、複数の自治体、例えば県と市町村が連携して情報を共有し回収を進める共同組織をつくるという方法や、個々の部署の壁を超えて自治体内部で債権管理の一元化を進める方法があります。公金債権の中では、当然税が最優先されますが、税金の滞納者の場合、税金以外にも滞納しているケースが多いと聞きます。名寄せなどで情報を共有することにより、税外未収金の回収を進める、そういった考え方もあります。 行政のシステムでは、債権の所管部署と回収業務を切り離して処理することが難しい、そういった理由から、どうしても個々の部署がそれぞれの徴収率、達成率を向上させるという部分最適を目指しがちですが、自治体全体で収入未済額を減少させるために何ができるのか、そして何をすべきか、そういった視点に立って考える全体最適も必要です。こうした点から、私としましては、すべての債権の収入未済の回収整理を一元的に行う組織を設置すべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。総務部長にお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 総務部長小西禎一君。 ◎総務部長(小西禎一君) 債権回収のための組織を一元化してはどうかという御提案でございますけれども、府の有する債権は、税などのように強制徴収できる公債権と、それ以外の私法上の契約などによる私債権があることを考慮する必要がございます。強制徴収できる公債権につきましては、税法上の調査権により知り得た債務者の情報を共有活用できるなど効率的な回収が可能となりますが、私債権では共有活用が法律上認められておりません。 また、私債権につきましては、府の施策実現のために創設された貸付制度など、それぞれの債権ごとにその経緯、目的や制度内容が異なるために、事業部局と回収業務を切り離して処理することがいいのかどうかという問題もございます。 しかしながら、債権回収整理について、部局任せにせず、全庁的に進める必要があるとの考えのもと、先ほど御答弁申し上げました条例を制定し、平成二十三年度から平成二十五年度の三年間を債権管理の集中期間として取り組みを進めております。具体的には、回収及び整理についてのノウハウを有する職員と弁護士から成る債権特別回収整理グループを税務室内に設置し、法的な相談や職務に対する研修会の開催など債権管理者への支援を行うとともに、回収困難事案につきましては、部局からの依頼を受け、直接処理を行っているところでございます。 今後、この条例の施行と現体制による取り組みを継続しつつ、その実績や効果、問題点を検証いたしまして、集中期間後の効率的な体制のあり方について検討してまいります。 ○議長(浅田均君) 中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) 地方税も、それ以外の公金も、それらが未収となって残る場合について考えてみますと、その基本的な性質上、当初発生から一年以上経過した場合、その大半が残ってしまうのではないかと考えます。要するに、当たり前のことではありますが、早目早目に回収に向けた行動を効果的に始めることが何よりも大切です。そのためには、まず各債権の所管部署の回収意識をさらに向上させることはもちろん大切ではありますが、現在、平成二十三年から二十五年の三カ年限定で機能している債権特別回収整理チームの機能を強化し、そしてこの期間中に積み上げられたノウハウを生かしつつ、より全体最適の観点から効率的な組織形態について検討を継続していただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 さきの二月定例会におきまして、全国で初めて性犯罪の前歴者に住所の届け出を義務づけた子どもを性犯罪から守る条例が成立いたしました。府民の皆さんからの期待の声、批判の声、さまざまあるようではありますが、子どもたちを守る、そういったことへの大きな一歩を踏み出したと私自身は思っております。性犯罪、とりわけ子どもに対する性犯罪は、決して許すことのできない卑劣な犯罪です。子どもに対して深刻な身体的、精神的苦痛を強いるだけではなく、後の成長過程に大きな傷跡を残すなど、本人のみならず、被害者家族にも大きな影響を及ぼします。 現在、ちまたでは、いたいけな子どものわいせつな写真やインターネット画像などが大量に出回っています。被写体となっている子どもたちの成長への悪影響だけではなく、直接的な因果関係は立証されてはおりませんが、これらに触発されての性犯罪の発生も懸念され、見過ごせない状況であると私は思っております。 いわゆる児童ポルノ法では、児童のわいせつな記録物の製造、提供、販売目的の所持等を禁止するとともに、罰則規定も設けてはありますが、そうした記録物を所持すること、いわゆる単純所持については何ら規制を課しておりません。 大阪府では、前橋下知事のもと、昨年三月に、子どもを守る観点より、子どもの性的虐待の記録という概念を新たに設け、規制対象を広げ、これらを製造、販売、そして所持しない義務を規定した青少年健全育成条例を改正いたしました。改正に際し、罰則規定については、さまざまな観点から議論が行われたものの、結局、直ちに罰則規定を設けることは見送ったとお聞きしております。 しかし、一方で、お隣の奈良県では、平成十七年に子どもポルノの所持を禁止し、罰則規定を設けています。京都府でも、昨年十月、取得や所持に対する知事の廃棄命令違反に罰則を設ける条例が制定されています。京都府では、その適用に当たっては極めて慎重な運営をされており、今のところは条例を適用した事例はないということですが、一定の牽制効果を及ぼすことが期待できるのではないかと思います。 そういったことからも、昨年見送られた単純所持についての罰則規定について、大阪府青少年健全育成条例の中に設けるべきではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 中村麻衣議員の御質問にお答えをいたします。 児童ポルノ対策などの取り組みの強化についてのお尋ねですけれども、子どもを対象にしたわいせつな写真や画像が世の中に出回ってることは、決して許されないものであると思っています。これは、何とかしなければならないという思いは、私も議員と同じであります。昨年三月の青少年健全育成条例の改正では、新しい概念を打ち出し、府としては、現行法令の範囲で可能な限りの内容としたものであります。また、罰則について条例で規定することに対する課題もあります。 しかしながら、条例改正から一年が経過をしており、実態を十分把握した上で、御指摘の点も踏まえ、大阪府青少年健全育成審議会でしっかりと議論をいただき、その結果を踏まえて、府としての対策を進めていきたいと思っております。 ○議長(浅田均君) 中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) 大阪府青少年健全育成審議会の報告書の中には、「子どもが性犯罪の被害に遭わない、性犯罪者をつくらない社会の実現を全国に先駆けて大阪から発信することを目指して」とあります。加えて、被害者や被害者家族からは、国や行政の性犯罪対策はおくれている、被害者軽視ではないか、そういった意見も少なくありません。私自身も、そう感じております。事実、諸外国と比較して、我が国は、性犯罪対策そのものや性犯罪者の対策、処遇については大きく立ちおくれております。職員の方の説明の中で、法律の範囲内では最大限なんですという行政としての限界について話されます。そうではなく、大阪から国を動かす、大阪から発信していく、そういった姿勢が必要、そして今の大阪であるからこそ効果的だと考えておりますが、松井知事、いかがでしょうか。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 議員がおっしゃってる意味は、よくわかります。やはり大阪から、こういう児童ポルノというものに対して、子どもたちが被害に遭うと、そういうことをもうなくしていく、ゼロにしていく、この思いは同じであります。したがいまして、そういう形のしっかりした制度をつくるためにも、さまざまな皆さん方で議論をしていただくことも大切なことだと思っておりまして、青少年健全育成条例をつくるためにも御努力いただきました青少年健全育成審議会というところで、議員のきょうの御質問等もしっかり伝えさせていただきまして、御議論をいただいて検討していきたいと、こういうふうに思ってます。 ○議長(浅田均君) 中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) 知事、ありがとうございます。よろしくお願いします。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 府市統合本部の機能として、大都市制度の検討、広域行政、二重行政の仕分けを行う、府市共通の重要事項の協議などを行うとされ、協議事項は多岐にわたっております。統合本部会議は、昨年十二月二十三日の第一回から始まり、現在、五月十四日の第十一回まで会議が開催されています。 現在、経営形態の見直しを検討するA項目と、類似、重複している行政サービスの見直しを検討するB項目については論点整理が示され、それぞれ六月末をめどに作業が進められています。ただ、これまでの統合本部会議で具体的に議論されている項目を見ますと、議論の優先度について、私には多少の疑問がございます。 これまでの会議では、大阪のグランドデザインであったり、A項目では地下鉄や港湾などについて議論されてきました。議論されている内容を見ますと、橋下副本部長の好きな順なのかなと、私、少し思ったりもしたんですけれども、関西電力関係は仕方がないとはいえ、私といたしましては、それぞれ優先順位が高いものである、そういうことは理解しておりますが、やはり住民の命や財産にかかわることこそが最も重要かつ緊急に対処すべきであり、優先度は高いはずだと思います。とりわけ、大規模災害への備え、対応が強く求められている今、大阪の総合的な消防力を強化するための消防の一元化、その検討こそが最優先的に進められるべきであり、一刻も早く取り組んでいくべきと考えております。 知事にお伺いいたします。府市統合本部における各検討項目の優先度及び消防の一元化についてのお考えをお聞かせください。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 府市統合本部での検討順位、消防力の強化についてお答えをいたします。 府市統合本部、昨年末に設置をさせていただきました。府市統合本部では、議員も御承知のように、A項目、B項目という項目を今それぞれ議論を、統合本部委員の皆さんも入り、もちろん府の職員、市の職員も参加をし、検討を進めているところです。A項目、B項目とも、統合本部の中でいろいろ議論している順序はありますが、それ以外に府市でそれぞれのプロジェクトチーム、タスクフォース、これも並行して絶えず議論をいただいているところでありまして、そういう重なってるところ、二元になっているところ、そのすべての問題点のある事業やとかそういうものは、今並行して進んでいると御理解をいただきたいと思っております。 消防の検討を進めるに当たりましては、大阪の消防を西日本の拠点としてふさわしい消防力や大規模災害への対応力の確保など新たな大都市制度に見合うものとするためには、法制度を検討する必要があります。そのことも、今大阪の消防、防災の体制強化ということで非常に重要な項目だと、消防というのは重要だという認識のもとで議論を積み上げているところであります。六月には、基本的な方向性を示させていただきます。 ○議長(浅田均君) 中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) 繰り返しての質問になるかもしれませんが、首都直下型地震や東海・東南海・南海地震がいつ発生してもおかしくないと言われております。また、その他の自然災害についても、昨年の台風十二号による和歌山、奈良の水害や頻発するゲリラ豪雨、先日の茨城の竜巻など、これまで想定していなかった大規模な災害に対する備えが大変重要な課題となってきております。到底考えられなかった大規模な災害に対する備えという、そういった観点からも、ますます大阪の消防の役割は大きくなってきており、優先度は高いと思います。 災害は、待ってはくれません。やはり消防力の強化については、一刻も早く取り組まなければならない課題であると思いますが、その点について、もう一度知事のお考えをお聞かせください。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 大規模災害に対して消防力を強化していく、それはもう当然のことであります。法制度の改正というものも必要になってきますけども、それを待ってるわけではありません。今できること、現行制度でできることは、早急に議論もしておりますし、やれることについては取り組んでまいります。 具体的に申し上げますと、人材の養成を府と市と二元的に運用している消防学校については、例えば消防士として基本的な活動ができることを目的とした初任教育、これは府内で統一する、そして予防査察やレスキュー等の専門教育を地域特性に応じて充実強化するなど、現場のニーズを踏まえたカリキュラムを検討した上で統合するというふうな方向性を今考えておるところです。また、消防業務を適切な規模で効率的に実施するために、市町村が連携して進めている消防の広域化や一一九番の通信指令の共同運用などについても、府として積極的に促進をしてまいります。 ○議長(浅田均君) 中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) 東京消防庁に負けないすばらしい大阪消防庁の実現、私、心待ちにしております。よろしくお願いいたします。 最後に、私の地元の西成特区構想についてお伺いいたします。 西成特区構想については、大阪市において橋下市長のもと、本年二月にプロジェクトチームが設置され、今年度の調査活動が行われているところでございます。皆様御存じのとおり、西成区は、全国的に見ても結核罹患率や生活保護受給率が非常に高く、また単身高齢世帯の割合が三〇%を超えており、大阪市のほかの区と比べても特に高齢化が進んでおります。子育て層である若年世代が少ないなど、多くの行政課題も抱えております。これまでも、西成区のこうした課題に対しては、区と市局が連携し対応してはきましたが、あくまでも全市的な視点の中でこういった問題の対応に当たってきたために、結果的に西成区の個別課題を抜本的に解決するには至っておりません。 こうした問題点の整理を踏まえ、今後、西成区をいかにして活性化させるかという目標を設定した西成特区構想においては、平成二十四年度は調査活動、次年度から五年程度の期間をかけて具体的な施策を実施していくとされております。大阪が抱える課題が集中する西成区を変えることは、大阪全体が変わる、そういったことを全国に示すことにもなるという橋下市長の基本方針のもと、プロジェクト活動はスタートしていると聞いております。 広域自治体として、大阪府も一体的に取り組む必要性があると私は考えておりますが、大阪府は、これまで西成特区構想をどのようにとらえ、そしてこれにどう準備してきているのか、政策企画部長にお伺いいたします。 ○議長(浅田均君) 政策企画部長新井純君。 ◎政策企画部長(新井純君) 大阪市の西成特区構想についてでございますが、議員が今お示しのとおり、大阪市におきましては、本年二月にプロジェクトチームが設置されまして、本年度は調査研究を行う段階だと聞いております。西成区が抱える課題は、生活保護率の高さや高齢化の進展、子育て層が少ないなど、一義的には基礎自治体において検討されるべきものであると考えておりますけれども、その背景には、医療や治安、雇用や産業など広範な分野における課題が存在しているというふうに受けとめております。 こういった観点から、今後、大阪市の具体的検討の進捗に応じまして、府といたしましても、この特区構想の検討調整を図ることができますよう、政策企画部として関連する分野の部局と協議調整を行える庁内の体制を整えます。 ○議長(浅田均君) 中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) 部長、御答弁ありがとうございました。 ただ、私には、そういった大阪市の検討を待ってこれに協力していくというスタンスでは、非常に不十分であると思います。生活保護受給率の高さや高齢化の進展、貧困ビジネスや賭博場、薬物問題など、こうした問題の背景には、大阪の産業経済の停滞や住環境の整備不足、不法投棄や迷惑駐輪などの環境問題、安全安心への取り組みの不足など、大阪全体が抱えるたくさんの問題が影響していると考えます。 こうした根本的な問題などに加えて、全国から多くの労働者が仕事を求めてこの地域に流入してきたという歴史的な経過の中で、そういった問題はその形を変え、現在の西成に象徴的な問題として形成されてきたのではないでしょうか。ですから、西成が変わることは、大阪全体が変わるということを全国に示すことになると私は思うのです。 私は、大阪府として、大阪市と共同プロジェクトを設置し、大阪府の責務として取り組む内容を府市統合本部で協議する必要があると考えますが、知事のお考え、意気込みをお聞かせください。 また、地元では、大きな期待と、本当に西成がよくなるのか、変わるのか、住民の皆様のいろいろな意見が出ております。しかし、大きな関心を持たれていることは確かです。知事の御答弁によっては、私、地元に帰れなくなるかもしれませんので、よろしくお願いいたします。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 中村議員が地元でしっかりと生活できるようにやっていきたい、そう思っております。 ただ、検討を待ってというのは、消極的な意味ではありません。やはり先ほどから議員が御指摘のように、長い年月が経過して、西成区というのは、今議員が先ほどおっしゃられたようなさまざまな問題がある、そういう地域になってしまいました。西成が変われば大阪が変わるという思いは、私と橋下市長と共有でありまして、現在、橋下市長が、基礎自治体のトップとして西成特区構想を検討し、大胆な政策を取りまとめていくという思いで、地元事情ですね、地元住民の皆さんのニーズ、これを今しっかりと検証をしているところです。 やはり限られた財源、それから人材、そういうものを投入してやっていくわけですから、ニーズとかけ離れた、西成の人たちが求めないことをしても仕方がないと、こう思っております。今いろんな議論がありまして、大都市制度の推進協議会という協議会もこの間設置をされました。その中でもよく言われるのが、最終的には西成なんですよね、西成どうすんねん。その西成出身の--議員もそうですけれども、西成選出の議員の皆さんの中から、西成どうすんねん、どことひっつけてくれるんやと、どこも受け手ないと、こういうことを言われる方があります。そういう声を、変えられるんだと、変わるんだということを西成の皆さんが自覚していただく、思っていただくそのためにも、現在そのニーズを把握しているところでありますから、このニーズをしっかりと把握した上で、府市一体となって西成を変えていく、そして西成が変われば大阪が変わるという、府民全体がそういう実感を持てるような施策を取りまとめたいと、こういうふうに思っております。 ○議長(浅田均君) 中村麻衣君。 ◆(中村麻衣君) ありがとうございました。いい誕生日プレゼントになったと思います。これから先頑張って、お隣の阿倍野区に、ぜひ西成とくっつきたい、そう言っていただけるような西成区に変えていきたいと思っています。よろしくお願いします。 追加になりますけれども、やはり今やるべきことは、何よりも大がかりな安全安心なまちづくり、それが本当に急務であると私は思っております。当初、プロジェクトチームから出されましたアイデアで、先日メディアにおいても取り上げられました小中一貫校のスーパー校を西成区内に設置する、そういうお話がありました。現在の設置予定地周辺の環境では、たとえスーパー校であっても、安心して御子息を通わせる御家庭がわんさか出てくるとは、私には少しイメージができません。 繰り返しにはなりますが、現在の西成に象徴的な多くの問題解決には、こうした小手先の施策ではなく、大阪府が、その責任において、大阪府全体の問題として、そして担当はどこどこ、こういう部というのではなくて、警察も含めた全部局が一体となって大阪市と協働して取り組む必要があると思います。 少し時間が余っておりますが、そろそろ終わりにいきます。 かつての強く元気な大阪を取り戻し、お子様からお年寄りまで安心して笑って暮らせる大阪をつくるため、まだまだ微力ではありますが、私も一生懸命考え、汗を流したいと思っております。頑張ります。今後とも、御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。 ○議長(浅田均君) 次に、曽呂利邦雄君を指名いたします。曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) 日本共産党府議会議員団の曽呂利邦雄でございます。すべての質問を知事に行います。 まず、千里の救命救急センターについてです。 千里の救命救急センターは、我が国初の独立型センターですが、六年前に済生会千里病院の併設型に変わりました。済生会への統合以降は、従来の三次医療中心という枠から、救急の受け入れ拒否事例も含め、一次、二次でもすべての患者を受け入れる北大阪の最終防波堤の役割を果たしています。三次救急は、保健医療計画に位置づけられた大阪府の役割ですが、全くの赤字部門です。三億五千万円の補助金の復活を求めます。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 曽呂利議員の御質問にお答えをいたします。 千里救命救急センターについてですが、千里救命救急センターへの本府の単独補助金は、平成十八年末移管時に済生会千里病院と合意したとおりでありまして、平成二十二年度末で終了したものであります。救命救急センターは、採算がとりにくいことは承知しております。救命救急医療の充実に必要な予算については、引き続き確保に努めてまいります。 ○議長(浅田均君) 曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) 千里救命救急センターを初めとして、府下十四カ所の救命救急センターの状況を十分把握し、大阪府の救命救急医療の前進へ府がより積極的役割を果たすように要望しておきたいと思います。 次に、政府が進める福井県の大飯原発三、四号機の再稼働についてお尋ねをいたします。 先月二十四日、松井知事は、橋下大阪市長との連名で、八項目の原子力発電の安全性に関する提案を政府に行いました。 スクリーンをごらんください。 前文には、福島第一原発事故から一年、影響が極めて深刻、広範かつ長期に及び、原子力災害が絶対にあってはならないとあります。ところが、福島では、原子炉内部の正確な実態も、地震で原発がどうなったかということさえわからず、事故の原因はもちろん未解明です。 提案された八項目は、多くの府民が納得できるものです。ところが、政府の方針は、八項目のどれ一つ満たしていません。しかも、大飯原発では、近くの三つの活断層が連動した地震が発生した場合、関電が想定をしていた最大の揺れを上回ることを最近関電自身が明らかにしています。再稼働にきっぱり反対するよう知事に求めますが、どうですか。 また、関電は、電力供給に責任を持つ立場から、中国や中部などの他の電力会社からの融通、高齢者や製造業に負担をかけない節電、企業の自家発電、住宅太陽光などの自然エネルギーなどで夏の一番暑い時間帯の電力供給に万全を期すべきです。 知事は、今月の十五日夜に、関経連会長で関電会長でもある森氏などと会談をしています。関電に原発再稼働なしの電力供給計画をつくることを求めたのでしょうか。 以上二点、答弁を求めます。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 原発再稼働につきましては、国が責任を持って判断をすべきことだと考えております。現在の国の再稼働に向けたプロセス、こういうものが国民からは全く信頼をされていないという状況であるというふうに先日も官房副長官、そして大臣に申し上げました。安全性の確保について、専門家の科学的、技術的な根拠に基づいて判断することが必要で、国はこうした手順を国民にオープンに示した上で、周辺自治体に十分な説明を行い、判断されるべきものだと考えております。 また、関西電力に対しましては、既に府市エネルギー戦略会議の場で、大飯原発の再稼働を前提としないこの夏の安定供給計画を電力会社の責任において取りまとめるべきと強く要請をしております。 ○議長(浅田均君) 曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) 原発問題について再質問いたします。 日本は、フランスなどと違って、世界有数の地震国です。知事と市長の八項目の政府への提案を基準にすれば、再稼働ノーの立場を貫く以外にないと思いますが、いかがですか。 また、八項目の立場に立てば、原発からの依存から脱却するという立場ではなくて、原発ゼロに踏み切るように求めるものであります。いかがでしょうか。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 原子力発電については、安全性の確保が最も重要と認識をいたしております。国の原子力行政を抜本強化するために大阪府、大阪市で国に対して提案の申し入れを行ったものであります。今すぐにゼロということになりますと、これは中長期エネルギーどうするんだということに対しても、国民の皆さんにしっかりと説明責任を全うするのが政治の役割であります。やはり長期にわたって原発の依存度を下げていくというような、そういう計画をまずは国がしっかりつくるべきもんだと思っております。 ○議長(浅田均君) 曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) 次に、大阪の再生問題について質問いたします。 スクリーンをごらんください。 日本は、一九九六年度までは経済は成長していましたが、九七年の消費税増税、その後の派遣労働の緩和による非正規雇用の増加、社会保障改悪で内需が落ち込み、税収も減少し、財政が悪化しました。国内総生産は、消費税増税をきっかけに成長がとまり、リーマンショック以降は縮小です。大阪の府内総生産は、九六年度から二〇〇九年度にかけて一三・七%減と全国の一・八倍の落ち込みです。雇用者報酬と家計消費の減少率は、大阪より総生産を減らしている道府県に比べても大きく、家計消費のマイナス九・二%は全国最悪です。非正規雇用も、府の調査で約四三%と全国三五%を八ポイントも上回っています。 一方、大阪税関管内の輸出額は、二〇一一年は一九九六年の約二倍、府内本社の資本金百億円以上の百十三の大企業の内部留保二十三兆九千億円と二〇〇〇年から一兆一千億円ふえています。暮らしや雇用を悪くしながら、大企業がもうけているのが現状です。 大阪経済を立て直すには、暮らしを守ることが決定的であります。家計消費が十年前の九九年の水準に戻ると、約一兆六千億円の消費がふえ、これだけで総生産を四・五%押し上げます。消費増大は、地域経済にも波及し、実際の総生産はもっとふえ、税収も大きく回復します。 スクリーンをごらんください。 国の税収は、九六年度と二〇一〇年度で消費税収は五兆円余りふえていますが、消費税以外の税収は、法人税、所得税、住民税などで十九兆円余り減り、全体では十四兆円減っています。消費税増税にきっぱり反対するとともに、正社員をふやし、労働法制の改正などを国に求めることが必要です。 以上の二点、答弁を求めます。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 消費税増税につきましては、現政権が無駄の排除を主張しながら、公約であります国会議員の定数削減を初めとする行革努力が不十分な中で、税を上げる必要性については、国民は納得をしないのではないか、十分な説明がなされていないというふうなことを私自身は思っております。行革にぎりぎりまで取り組んだ上で、これだけ足りないから増税をお願いしますというのが筋であるというふうに考えております。 また、労働施策につきましては、非正規労働者の雇用の安定を図るため、これまでも派遣労働者の直接雇用や正社員化の促進について国に要望をしてきたところであります。今後とも、労働施策の充実について国に求めてまいります。 ○議長(浅田均君) 曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) 消費税の問題について再度答弁を求めます。 私が言いましたのは、経済再建においての消費税の問題であって、行財政改革という問題とはまた違います。今政府が進めようとしている消費税増税は、暮らしも、経済も、財政も壊す税と社会保障の一体改悪であります。消費税一〇%への引き上げで十三兆円の大増税となり、先ほど示したように、雇用破壊のもとで府民所得は大幅に減り、家計消費は冷え、多くの中小企業が経営難に落ち込み、税収も落ち込みます。リーマンショック以降の深刻な長期のデフレ不況のもとで、大増税は暮らしに大打撃を与え、経済をどん底に突き落とし、財政破綻を一層ひどくするものであり、きっぱりと消費税増税に反対すべきです。再度答弁を求めます。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 私は、現在の消費税の増税のこの国で行われている議論、あの形では国民は納得をしないと。まずは、みずから身を切る覚悟を決めて、そして無駄と思われる税金の支出をやめて、そしてこの国の財政を健全化させていくというのが必要であると思っております。 今議員からは、経済に大きな影響を与えるということをおっしゃっております。そこは、今すぐにやるとなれば、それは当然だと思います。でも、今国で議論されてるのは、やはり成長率が何%、そういう成長率をしっかりと数字にも明記をされておりまして、その時点で消費税が実質上がるということになると思います。 ただし、その前に、まずは国民から信頼をされる身を切る覚悟を示して、大行革をやった上だと。私は、消費税の率を上げるということであれば、それをやった上だということでは思っております。 ○議長(浅田均君) 曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) 少しずれているわけですけれども、行革で経済は再建できないわけでありまして、日本経済、大阪経済の全体の中での消費税の問題として質問いたしました。 時間がありませんので、次にいきます。 次に、暮らし、経済、財政を立て直すために六点十一項目の提案をいたします。 まず第一に、教育ですけれども、二〇一一年五月現在、府内の公立小中高校、支援学校の定数内講師は三千七百三十二人です。雇用拡大と教育条件改善を図るために、定数内講師の正規雇用を進めるべきです。必要人件費は、三十歳で試算をしてみると、三千人の正規雇用で約十二億円です。正規になれば、もっと教育が充実をいたします。また、三十五人以下学級を小学校三年生、中学校一年生へ拡大すれば、二〇一一年度ベースで必要教員数は約六百五十人、人件費は約五十億円です。 次に、子育ての支援策ですけれども、大阪府の人口減少社会白書では、大阪は、都市部で最も早く人口減少が進み、二〇四〇年には百六十三万人の減少です。子育て支援策は、急務です。 まず、保育所の整備ですが、残っている九十七億円の国の安心こども基金を活用すれば、四千人以上の入所枠がふえます。待機児解消や保育士の雇用拡大、若者の雇用、建設業の仕事拡大と、まさに一石四鳥です。保育所整備のテンポを上げるように求めます。 次に、子ども医療費助成制度です。 通院では、一市を除く府下四十二市町村が就学前まで以上の助成となっています。大阪府が就学前まで補助を引き上げるのに必要な財源は二十三億円です。そうすれば、市町村は中学卒業まで拡充することも可能になります。 次に、中小建設業の仕事をふやすことで二点質問いたします。 大阪府内の木造住宅耐震化事業は、二〇一五年度をめどに耐震化率九〇%の目標で進められていますが、一年千件という少ない目標にも届いていません。地震の危険性の周知や府補助の増額で、年間五千件ペースに引き上げるよう求めます。 また、府独自の高齢者住宅改造費助成は、二〇〇八年度から橋下府政のもとで廃止をされましたが、現在の介護保険では二十万円しか住宅改造費が支給されず、介護予防には不十分です。せめて府が三十万円、市町村三十万円でも独自補助をすべきであります。年間五千件で十五億円です。府民の安全や介護の予算を抑え、建設業者の仕事もふやす三つの効果があります。 次に、府営住宅について二点求めます。 府営住宅ストック総合活用計画では、十年間で一万戸を削減する計画です。最近の総合募集の平均倍率は、二〇一一年度十八・八倍と高倍率で、何度申し込んでも入れないという声が広がっています。削減計画は、撤回すべきです。 また、耐震改修や建てかえなどの団地別事業計画、エレベーターの設置などについて、住民への説明と合意に全力を尽くすべきです。 次に、三十七河川の老朽化護岸等対策や、先日点検結果が公表されました河川の百五十八カ所の緊急注意箇所の改修ですが、総事業費が二百数十億円の予定ですが、せめて毎年二十億円規模のテンポで府民の安全を守る施策を進めていただきたい。 次に、自然エネルギーの拡大の問題で二つ求めます。 大阪は、一昨年十二月末で、住宅太陽光は府民一人当たりの出力では関西平均の約半分でした。大阪府独自の補助制度がないことが、一つの原因です。それでも、国と府内十六市町の補助制度で、昨年度だけで大阪で三万五千キロワットふえ、現在では十五万キロワットです。関西で同じペースなら、約七十万キロワットになります。住宅太陽光設置は、四キロワット二百万円余りとして、補助制度の六倍から十倍の経済波及効果があり、三万五千キロワット分で約百八十億円の経済効果という計算もできます。 大阪府では、今年度に融資制度をつくりましたが、年一千戸分で、平松市長時代の昨年の大阪市の千二百九十三件をも下回っています。せめて、年一万戸の融資制度に拡大するよう求めます。 また、現橋下大阪市長は、昨年度五千キロワット以上の成果があった大阪市独自の住宅太陽光補助制度を今年度から廃止をする方針であります。維新の会の脱原発と自然エネルギー補助廃止の方針とは、矛盾をするものではありませんか。大阪市長に、補助制度を存続するように求めてください。 六つの柱、十一項目の提案には、七百十一億円の財政調整基金の二割を取り崩せば十分可能であります。波及効果は数倍以上、税収もふえます。 それぞれについて答弁を求めます。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) まず、職員採用については、教育委員会において退職者数、児童生徒数等の動向を踏まえつつ、教員として資質を見きわめた上で、毎年度最大限の確保に努めているところです。 次に、三十五人学級の小学校三年生以上への拡大については、大きな財政負担が伴うことから、限られた財源をどこに優先して使うのか、教育条件の整備を目指した効果的な施策のあり方について教育委員会と議論してまいります。 次に、保育所整備につきましては、保育の実施主体である市町村と連携しながら、安心こども基金を活用して保育所の整備を進め、毎年二千人の定員拡大に努めておるところです。引き続き、市町村と協議をし、待機児童の解消に向け、保育所整備を進めてまいります。 次に、乳幼児医療費助成制度については、すべての都道府県で実施されており、事実上のナショナルミニマムとなっていることから、全国一律の制度として国において制度化されるよう提案をしてきているところであります。今後とも、国に要望してまいります。 次に、木造住宅の耐震化については、府民の自主的な取り組みが基本でありますが、府としては、その取り組みが少しでも進むように支援をしております。地域活動の機会を利用した草の根的な啓発事業を進めるとともに、民間事業者、自治会、行政が一体となって耐震化に取り組む、まちまるごと耐震化支援事業の実施地区をさらに広げるなど、少しでも早く耐震化が促進されるよう取り組んでまいります。 次に、高齢者住宅改造助成事業については、介護保険制度と重複することなどから廃止したものであり、今の府の財政状況からは、当該の事業の復活は困難であります。 次に、府営住宅のストック総合活用計画においては、現入居者に大きな支障を与えない範囲で、需要の低い住宅の空き室を集約化することに加え、耐震化を早期に進めるため、新たに建てかえる場合の戸数を管理戸数でなく入居者戸数としたところです。その結果、合わせて十年間で約一万戸を削減することとしたところで、撤回は考えておりません。 なお、耐震改修や建てかえ、エレベーター設置については、住民の皆さんに対して丁寧に説明をしてまいります。 次に、老朽化護岸等の対策事業は、これまでの点検結果に基づき、きめ細かく対応してきており、今後、地先の危険度に護岸の老朽化の状況なども含めた地域の治水リスクを住民に開示し、その共有を進めつつ、事業の重点化を図りながら着実に進めてまいります。 次に、太陽光パネル設置に係る融資事業については、金融機関と連携し、低金利での家庭向け融資制度を今年度新たに創設したものであり、融資件数については、融資事業を実施している他府県の実績等も考慮し、年一千戸分と設定したものです。今年度利用実績や再生可能エネルギー導入への促進効果などを評価した上で、次年度以降の目標を設定してまいります。 最後に、大阪市の補助制度につきましては、市政改革の一環として、その素案について見直しを行い、現在パブリックコメント中と承知をしております。大阪市において、中長期的なエネルギー戦略の方向性を見据え、対処されるものと考えております。大阪市会も、現在議会が開会中でありますから、ぜひ市長に直接、共産党議員の皆さんから質問をされることで、答えを見出していただきたいと思います。 ○議長(浅田均君) 曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) 具体的な項目についての再度答弁を求めます。 この間の大阪府の提案をした中身は、府独自で十分やれるものであって、一つ一つが要求にかなうものであって、税収にもつながるということで提案をしました。全体についての再答弁を求めます。 それから、具体的な項目ですけれども、子ども医療費の対象年齢の拡大ですけれども、国に要望するのは当然ですけれども、府としても取り組むべきです。 スクリーンを見てください。 東京は中学卒まで、愛知、神奈川、京都は就学前まで、兵庫県は小学校の三年生までです。大阪府のおくれは、断トツです。なぜできないのか、再度答弁を求めます。 自然エネルギーの助成制度ですが、平成二十三年度、多くの都道府県が実施をし、近畿では大阪府以外すべての府県で取り組んでいます。融資制度の場合も、京都府は今年度で年率〇・五%です。奈良県は、利率ゼロです。融資制度の大幅な改善を求めます。橋下市長が、太陽光発電への補助制度の執行を凍結し、八月からゼロにするのは全く理解できません。昨年度の大阪市の実績五千三百五十キロワットは、メガソーラー級です。補助制度の復活と充実を強く求めてください。改めて答弁を求めます。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 乳幼児医療を含む福祉医療費助成制度については、財政構造改革プランにあるとおり、国における医療保険制度等の検討状況を見据えつつ、平成二十五年度の実施を目途に抜本的な見直しを図るべく、実施主体である市町村とともにそのあり方を検討しているところです。 議員がお示しになられた先ほどの表ですけど、都道府県別ではなくて、受けてる受益者別で見ると、大阪市は、今回、橋下市長になりまして、中学卒業までの医療費助成を行っております。だから、現実問題としてどうなのかということをよくとらえていただきたいと、こう思います。だから、実際に受けてる側から見れば、充実できておるというところです。 また、太陽光発電融資制度については、一般家庭における再生可能エネルギーの導入促進を目的に今年度から実施することにしたものでありまして、現時点で、補助制度に切りかえる考えはありません。これ議員、太陽光発電の今度買い取り価格を御存じでしょうかね、七月から。さまざまな事業者の皆さんと私もいろいろと意見交換をさせていただいておりまして、現在示されています一キロワット四十円強のあの値段でいきますと、事業として成り立つということを事業者の皆さんはよくおっしゃいます。約二十年間、一キロワット四十円強での買い取り価格ということがこのたび決定をされておりまして、これは補助ということではなく、あの買い取り価格が設定をされれば、事業者並びに御家庭でも太陽光発電のシステムというのはどんどん広がっていくものだと思っております。 ○議長(浅田均君) 曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) ちょっと時間がないんですけども、知事が答弁されてましたので。子ども医療費のやつで大阪市は言うてませんので、誤解のないように。 それと、買い取り制度のやつを言うてるんじゃなくて、補助制度と融資制度の問題を充実せよと言うてますので、そのことだけ誤解ないようにお願いします。 それでは、質問を続けます。 今年度の予算では、企業立地促進補助金に三十九億円、関西イノベーション国際戦略総合特区に五千四百万円、りんくうタウンなどの地域活性化特区に十億円の予算が当初予算で組まれました。企業立地促進補助金の大企業分は、二〇一〇年度末で百十六億四千八百八十二万八千円執行済みですが、シャープなどの大規模投資企業五社の一年間の雇用は、正社員で百二十四人しかありません。橋下知事は、パネルベイなどと言ってきましたが、貝塚、堺、住之江と、シャープやパナソニックは、この四年間、計画を縮小しています。内需拡大なしの呼び込み開発を進める大阪府や維新の会の経済成長戦略、これは大阪経済再生にも財政再建にも逆行するものではないかと考えます。方針の転換を求めますが、いかがですか。 ○議長(浅田均君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 大阪の成長のためには、既存産業の高度化による内需の拡大とあわせて、成長著しいアジアの需要を呼び込み、内需へと転換していくことが重要であります。そのため、まず大阪における民間活動の活性化が不可欠であります。従来型の開発行政ではなく、既存の資源、ストックを有効活用しながら、総合特区制度等により国の制度や規制の壁を打ち破り、成長分野の企業の立地を促進するなど、大阪の成長戦略の実現に取り組んでいくという方向でやってまいります。方針の転換は、いたしません。 ○議長(浅田均君) 曽呂利邦雄君。 ◆(曽呂利邦雄君) 昨年の一斉地方選挙で、府議会に送っていただいて一年がたちました。きょうは、初めての質問をさせていただきましたが、原発からの脱却や自然エネルギーの問題、あるいは雇用をふやして消費を拡大し、大阪経済の再建について具体的な提案を代表質問と同じ気持ちで質問したところであります。これからも、きょうの質問で述べたように、府民の暮らしに寄り添った施策の充実を目指して全力で頑張る決意を申し上げまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(浅田均君) この際、休憩いたします。午後二時五十二分休憩    ◇午後三時十五分再開 ○副議長(岩下学君) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。 通告により土井達也君を指名いたします。土井達也君。 ◆(土井達也君) 大阪維新の会の土井達也です。 まず、大阪の失われた二十年の象徴、伊丹廃港、関空ハブ化につきましてお伺いをいたします。 現在、経営統合法に基づきまして、知事が委員として参画されております関空・伊丹運営協議会では、七月の経営統合に向けまして、国土交通大臣が定める基本方針の議論が行われております。この基本方針には、伊丹廃港、関空ハブ化がしっかりと反映されることが必要であると考えます。 今後、策定は大詰めを迎えますが、基本方針の策定に向けました知事の考えと覚悟をまずお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 土井議員の御質問にお答えをいたします。 伊丹の廃港、関空のハブ化基本方針は、関空、伊丹両空港の経営主体を一つにまとめ、今後の空港のあるべき姿を構築するための指針となるものであります。現在の国の案では、関空強化を国として重視する姿勢を打ち出すとともに、伊丹の将来のあり方についても、中央リニア開通などを見通し、廃港も含め検討していくと位置づけられるなど、国の成長戦略で示された考え方が盛り込まれており、この点については評価をしたいと思います。 経営統合の最大の目的は、関空をアジアのハブ空港とも戦える競争力を備えた国際拠点空港として再生強化し、大阪、関西の発展につなげていくことであります。このため、国がその責務をきちんと果たし、関空の国際拠点空港化に向けた方策等が盛り込まれるよう、しっかりと意見を主張していきたいと思います。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) ただいま、知事から御答弁をいただきました。その点は評価をするんですが、私自身は茶番に見えるし、でたらめに見えます。ガス抜き的にああいう記述されてるのかなと思うところです。 両空港の設置管理者、それは空港運営事業者です。空港法上では、空港の廃止も設置管理者、つまり空港運営事業者の権限で行います。法に従えば、このような解釈になります。何を言ってるかといいますと、伊丹廃港は国で決められないから、民間で決めてくださいよと、法に従えば民間で決めることになる、そう言ってるわけです。おかしければ法をつくり修正する、それが立法府の役割です。 知事は、伊丹廃港を決めるのは国、特に政治家が決めるべき事項であると考えませんか。大阪府議会では、一年数カ月前に決めました。賛成、反対、当然それぞれあるわけです。各自が自分の態度を決めて議決に臨みました。ボールを国に投げましたら、国は、自分たちで判断できないから、その判断は民間会社ですよと、このように言ってるわけです、何のために存在してるのかと。自分の責任を放棄して、全く存在意義ないじゃないかと私は思います。だから、ほんとに先ほど言いました茶番、でたらめやと。 大阪維新の会は、決められない政治を批判してきました。これを見逃したら、私たちの存在意義もなくなると、このように考えてます。伊丹廃港を決めるのは国、特に政治家が決めるべきであり、一民間企業にその判断をゆだねるような今のあり方は、決められない政治の典型だと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 関西における空港のあり方について、土井議員のほうから今伊丹の廃港という、廃港も含めた将来のあり方について、これはしっかり国が決定をしていくべきものだというようなお話かもしれませんが、それは一義的には国が決めることになるとは思うんですけど、僕は、民間が決めたほうが本当は早いんじゃないかなという思いもあります。 今回、廃港の時期というものを中央リニアの開通というものに合わせて、そもそも伊丹-羽田間が半分近くドル箱路線なわけでありまして、我々は、中央リニアが開通すれば、その伊丹の需要というものそのものが、やはり大きく減っていくんではないかというようなことから、時期を合わして廃港をするべきという主張をしてまいりました。 政治がそのことから逃げることは、これはおかしいと思っておりますので、そういう廃港といった大きな課題に道筋をつけるためにも、政治家がしっかりリードしていくべきだというふうには思っております。そういうことから、政治家としても、この伊丹の廃港、そして関空の国際拠点空港化を推進するということで、政治的にメッセージを出していきたいというふうに考えております。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) 民間が決めたほうが早いと、確かにそれはあるかもしれません。市場で決めろと、ユーザーが決める、利用者が決めると。それでも、今まで何回も言われてきたことで、私、思うんですけど、世の中の雰囲気がつくり出されてる雰囲気がある、関空開港前夜に非常に似てるんじゃないかと。関空開港前、公文書、結局残ってないですね、廃港にするという公文書が。開港が終わって調べる人が調べたら、十一市協と長官との間で伊丹存続の公文書が一枚残ってるだけと。そんな話やったっけ。新聞は、関空開港になりますよ、伊丹廃港になりますよ、そういう対立構造を騒ぎ立てて、あたかも空港問題一つに集約していくように世論がつくられて、結局ふたをあけてみて、文書調べてみたら、そんなことどこにもありませんでしたと。今回も似てるんじゃないんかな、そう思うわけです。 政治が決めてませんから、廃港部分は非常に玉虫色の基本方針になってるんやと思います。伊丹廃港やという人から見れば、そのようにもとれるし、伊丹存続せなあかんやろうという人から見たら、どうってことない、今非常に反対をされておりますけども、文書自体はそんなどうってことのない文書になってるんやろうと思うわけです。 市場が決めると言いますが、いつまでたっても結局何にも決まらないんじゃないかと。ネバーエンディングストーリーでずっと続けるのもええかもしれませんけど、上の世代を見て、いつまでこんなことしてるんやろなと思ってたのが、とうとう私らもこういう年齢になってきて、これでまた決めれないままいっちゃうのかな、そう思うわけです。 知事、もう一度お伺いしますけども、政治が決めるべきやと考えませんか。あした協議会があると思いますが、どのように臨むか、その姿勢についてお伺いをしたいと思います。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。
    ◎知事(松井一郎君) もちろん、政治がしっかりと決定していくべきものだと思ってますし、政治家がリードをして、この関西における空港のあり方というものをやはり決定していかなければならない。リードしていくのは、政府の政治の責任と、そう思ってます。その意味では、大阪府議会におきまして伊丹の廃港決議を議決されたということは、非常に大きな政治的なメッセージであります。まさに、当事者である大阪府が、府議会においてそういうメッセージを出し続けてきた、出したと、出すことを決定したということで、そのことは非常に大きく、今回いろんなさまざまな皆さんが、この関空と伊丹のそれぞれの役割分担について議論されてますが、その中に大きな政治的メッセージとして発信をされているというふうに思っております。 そして、先日からこの協議会の中で、私も入りまして、いろんな議論をさせていただいております。井戸知事といろいろと意見の違うところがありますけれども、私といたしましては、まさに関空の国際拠点空港化、これをする、この推進、これに向けては、伊丹の廃港というものは視野に入れて、しっかりとそういうルールをつくって民間事業者に委託をして、関空を発展させていかなければならないというふうなことで今行動をさせていただいております。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) ありがとうございます。ずっと長い間、この問題は続いてきて、文書にできる。どうも三年に一回ぐらい見直すことにもなりますんで、ここでどうのこうのではないんかと思います。最初は、当然思いっきり両空港を活用して収益を上げていただく、乗客を最大にしていただくと。民間企業には、頑張っていただかないといけないので、知事のおっしゃってることはよくわかります。三年ごとに区切って行っていくということなので、その時点で、しかるべきときが来たら判断していくということで、よろしくお願いをいたします。 次にいきます。続きまして、アジアの成長都市との都市間競争、特区の優遇税制についてお伺いをいたします。 大阪をアジアの成長都市と都市間競争ができるまちにしよう、大阪府の成長戦略の策定時に知事もよく語られておりました。これを具体化していく手段が、特区であると。大阪をアジアの成長都市と都市間競争を繰り広げる都市にしていくことについて、知事の思いをまずお聞かせください。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) アジアの都市間競争に打ち勝つためには、大阪が持つ強みや優位性を最大限に発揮し、高付加価値や技術革新を生み出す日本の成長エンジンとして再生することが不可欠であります。そのため、大阪の成長戦略の推進に全力を注いでいるところです。 成長戦略の柱の一つになるのが、国際戦略総合特区、我が国の成長を牽引する高いポテンシャルを有するライフサイエンス分野や新エネルギー分野で、大阪、関西発のイノベーションを次々と創出し、その波及効果を広く及ぼすことで成長を実現したいという思いです。そのため、インセンティブについては、大阪府と大阪市だからこそできる地方税ゼロの方針を市長と合意をしております。こうした税制優遇などを活用し、アジアとの国際競争に打ち勝てるよう、早ければ九月議会に条例案を提出させていただくべく検討を進めております。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) 改めて、知事のアジアの成長都市との都市間競争における思いをお伺いいたしました。 ここで、アジアの主要都市との距離感とか、あと税が出てるのは今東京都だけなので、特区やったらこれぐらいの税になるよというので、ちょっと東京の特区を順番に見ていって、アジアの主要都市との税制比較をしたいと思います。 一枚目。まず、当然世界地図なんで、もう皆さん御承知のとおり、大阪あって、韓国あって、上海あって、香港あって、赤道直下でシンガポールということですね。 次のスライドいってください。 これが、東京都の総計です。これは、総計に記載されてる羽田空港からの主要都市。就航してるのが赤色、青色がこれから就航を目指したいと。何でこういうのを載せてるかといったら、東京は特区でアジアのヘッドクオーターを目指しますよと、アジア本社をとにかく東京につくっていくいうことで、距離感を多分示してるんやと思います。大体シンガポールまでの距離でニューヨーク--ロス間ぐらいになるんですかね、そういう距離感をこんなふうにあらわしてると。 次いってください。三枚目をお願いします。 これは、東京ですけども、東京は、五年間でアジアの東京本社を五十社誘致やと、それから外国企業を五年間で五百社以上誘致しますよと。 次いってください。次お願いします。 税です。現行実効税率四〇・七%、これは東京の資料です。四〇・七%、これ平成二十三年の話です。本年度、ちょっと税が変わったんで税率違いますけども。で、特区を適用しますよ、東京都の独自減税いきますよ、これで実効税率が二八・九%になります。今年度から復興増税が始まってて、法人税額一〇%、表面税率で上乗せになってます、実効税率じゃなくて表面税率で。三年間で終了して、その後、増税分はもうちょっと下がりますんで、それでアジアの諸都市、ソウルなどと競争が可能な水準へ落ちますよというような表現をされてます。 次いってください。 これも、日本は去年の税率ですね。日本は四〇・六九%ですよと。財務省の資料です。アジアとの競争なんで、中国が二五%ですよ、韓国は二四・二%ですよ、シンガポールは一七%ですよと、こういう感じですね。実効税率です。 次いってください。 日本の二十四年度を見ますと、法人税では定率減税があって、復興増税がかかってて、プラス・マイナスあってちょっと複雑なんですけども、実効税率は三八%ぐらいです。それに特区が入ってきて、三番目の棒グラフですね、三〇%ぐらいになります。そこに地方がそれぞれ独自減税していきます、四番目になります、それが東京都の場合やったら二八・八六%になりますよ--二八・九って書いてましたけども。五番目の棒グラフが、三年間増税があって終わったときですね。二十四、二十五、二十六やから、二十七年度以降の一般の法人さんにかかる、特区にかかわらない国内の法人さんにかかる実効税率が大体三五、六%やろうと。まだ特区の税制続いてますから、五年間ですから、六番が二十七年度以降の二年間の特区だけ、特区税制だけ、七番が地方税をそれに加味、八番が中国二五%で、九番が韓国二四・二%、シンガポール一七%という比較をしております。 もう次もいきましょうか。 あと、韓国と中国の特区の--さっきのは法人税です。特区じゃなくて、韓国であったら二四・二%でずっと走ってますよと、五年どころかもうずっと走ってるということなんですけど、特区になったら、法人税、所得税、五年間一〇〇%免除やと、その後二年間は五〇%免除ですよ、関税も消費税も一〇〇%見ていきますよ。中国やったら、深セン、上海では二年間一〇〇%法人税下げましょうと、その後三年間は五〇%、関税も消費税も見ますよと、こういう状況になっております。 それで、シンガポール入ってないんですけども、もともとの法人税が一七%と非常に低いということです。 ということで、先ほど知事が大阪市長とともに地方税ゼロを合意したと答弁されました。府として、具体的にどのような企業をターゲットとして、どのような税目で軽減を行うのか、その企業はどのような形で選ぶのか、適用期間についてはどう考えているのか、また企業の利益に対する実質的な税負担率であります実効税率、今年度は大体三八%、東京都が先ほど見た二九%、大阪の場合、特区では実効税率は一体何%になるのか、商工労働部長にお伺いをいたします。 ○副議長(岩下学君) 商工労働部長笠原哲君。 ◎商工労働部長(笠原哲君) 府独自の特区税制につきましては、庁内関係各部局や大阪市等と連携をいたしまして検討を進めているところでございまして、現在の検討状況についてお答えを申し上げます。 対象企業や税目につきましては、大阪市初め関係自治体と連携をいたしまして、府内特区エリアに進出する新エネルギー分野、ライフ分野などの事業者に対して法人事業税、法人府民税、不動産取得税を軽減できないか検討中でございます。 企業の選定方法につきましては、今回の特区の趣旨に合致する企業の立地を通じまして、強みのある産業の国際競争力強化を図るため、専門家の御意見等を踏まえた選定ができるよう検討を進めております。 適用期間につきましては、国際競争力強化の観点から、五年間程度は必要と考えておりますが、今後、国の制度や他府県の事例、あるいはPDCAサイクルの観点等から検討してまいります。 また、市町村税と合わせて地方税をゼロとした場合の実効税率につきましては、特区内のみに本店、支店その他の事業所を有する法人であること等の諸条件を満たした企業が、国の特区税制を活用した場合に、現時点での税制度をベースに算出いたしましたところ、約二六%となります。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) 時間も余りありませんので、ちょっと省略をしていきますが、大阪市との協力はわかるんですけども、場所はほかの地域もありますよと。例えば、彩都だったら茨木市さん、それから箕面市さんと税の協力をしていくのか、さまざまな補助金とかもろもろあろうかと思いますけども、大阪市と同じように、そういう何らかの協力関係を築いていってもらいたいなと思います。要望をしておきます。 それから次に、日本の場合、特区でやったとしても、中国、韓国、シンガポールよりもまだ税高いですよと、地方税ゼロにしてもまだ高いよと。大阪の場合、二六%と実効税率を先ほどいただきましたけども、韓国、中国の特区を見ましたけども、もう圧倒的ですね。勝つ気がしないという感じのすごいことを実行されてるわけです。 それで、大阪がアジアとの本格的な都市間競争をできるようになるためには、当然特区制度を充実拡充していく必要があると思いますが、商工労働部長にお伺いをいたします。 ○副議長(岩下学君) 商工労働部長笠原哲君。 ◎商工労働部長(笠原哲君) 仮に地方税ゼロを実現した場合におきましても、なおアジア地域の主要都市における優遇税制と比較をいたしますと、制度として不十分であるという点につきましては、議員御提示のとおりでございます。今後、庁内関係部局や関係自治体とも連携をいたしまして、国に対し、大胆な国税の軽減、あるいは規制の特例措置の実施、財政支援の充実など、今回の総合特区が我が国の国際競争力強化という観点から真に効果的なものとなるよう、さらなる制度の拡充を求めてまいりたいと思います。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) 続きまして、エネルギー問題についてお伺いをいたします。 時間がないので、環境農林水産部長、大変申しわけありません、省略させてください。申しわけないです。 それで、さまざまな経過があるわけですよね。それで、去年、三・一一、東日本大震災があって、東北電力、東京電力管内は、その危機感の中で節電が行われました。現在の関西や大阪において、その危機感が継続して共有されてるとは言いがたいやろなと思う中で、一五%以上の節電目標というのは、非常にハードル高いんじゃないかと思うわけです。停電など非常事態が起こらないよう、府民の皆さん、事業者の方々に積極的に理解協力を得まして、節電対策を実行していかなければならないと考えます。 しかしながら、節電対策、ことしだけで終わる話じゃなくて、中長期的にエネルギー戦略を大阪府は示していくと言われてます。原子力発電への依存度を低下させる新たなエネルギー社会を目指すということは、こうした節電対策を含め、電力の需給体制を見直していくということでありまして、私は、当然その方向に賛成でありますが、事を急ぎますと、府民の皆さん、事業者の皆さんの生活や仕事、生産活動など、さまざまな側面で大きな影響があるものと危惧をしております。さまざまなコスト、また府民の皆さんの負担を伴う可能性、どれぐらい負担を伴うのかということについてもしっかりと議論をすべきです。 近畿の水がめ、琵琶湖が放射能に汚染されて、広範囲に人々が住めなくなるのと同じように、高過ぎるコストの負担というのも住めなくなっていくんやろなと思うわけです。府市でつくったエネルギー戦略会議におきましても、中長期的なエネルギー戦略を考える上では、そうしたコスト、負担についても十分議論されるべきと考えますが、知事のお考えをお伺いします。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 大阪の成長戦略を実現し、持続可能な成長を支えるためには、中長期的には原子力発電への依存度を低下させるなど新たなエネルギー社会づくりに向け、積極的に取り組んでいくことが重要であります。 新たなエネルギー社会づくりは、一自治体である府のみで取り組むものではないので、エネルギー政策転換に伴う社会的コストの負担のあり方については、電力制度改革や現在の電気料金の決定方式の変更など国において国民的議論を行い、そのコンセンサスを図っていくことが不可欠と考えております。そうした認識のもとで、府市エネルギー戦略会議や関西広域連合における中長期的なエネルギー戦略の取りまとめにおいてもしっかりと議論をし、今後、国や電力会社に対して提案をしてまいります。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) よろしくお願い申し上げます。 続きまして、校長の権限強化についてお伺いをいたします。 大阪市会では、市費負担教職員に支給します勤勉手当について、校長マネジメント強化の一環としまして、校長の権限で個々の教員の支給額を任命権者であります市教委に申し出ることができる仕組みも検討をされております。大阪府でも、校長マネジメントを強化し、校長が各教員の勤勉手当の決定に関与できるような制度にすべきではないかと考えますけども、知事、そして教育長の見解をお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 頑張ってる教員の功績にしっかりと報いるために、教員の頑張りに応じて勤勉手当に差をつけるというのは、もともと私の思いと同じであります。現在、府教育委員会においても、勤勉手当の決定について、校長の意向をどう反映させることができるのかを検討しているところです。 ○副議長(岩下学君) 教育長中西正人君。 ◎教育長(中西正人君) 校長の権限強化につきましては、人事権や予算権の拡充なども含めまして、現在その方策を検討してるところでございます。 議員お示しの勤勉手当についてでございますが、現行の法制度上、個々の教員の勤勉手当の決定を校長の自由裁量にゆだねたり、白紙委任をするということはできないものと考えておりますが、この手当の決定に係る校長の関与につきまして、現行法のもとでどういった仕組みが可能であるか議論を重ねてるところでございまして、しっかりと検討してまいりたいと思っております。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) よろしくお願いします。 もうこれが最後ですね。個人の自立、地域の自立、国家の自立、どこかで聞いた言葉ですけども、そういう観点から、頑張る市町村を応援する制度、市町村振興補助金についてお伺いをしたいと思います。 今までの制度というのは、過去の実績に応じて市町村に配られてるわけなんですけども、市町村がみずから将来に向かってどう突破していくんかと、この現状をどう突破していくんかという観点から、目標を立てて、みずからその目標に向かって実績をつくっていくと、それに応じて配分するということもありではないかと考えるんですが、知事のお考えをお伺いします。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 平成二十二年度に制度を改正した市町村振興補助金については、分権改革や行財政改革など、頑張る市町村の取り組みを後押しする制度としておりますが、議員御指摘のとおり、市町村の自主性をより尊重する観点から、市町村みずからが目標を設定し、その達成状況に応じて補助金を配分する仕組みも必要だと思います。ただし、その目標が甘くならないように、しっかりとチェックはさせていただきます。来年度からの実施に向け、市町村の意見も踏まえながら、振興補助金のより有効な活用方法について検討をしてまいります。 ○副議長(岩下学君) 土井達也君。 ◆(土井達也君) よろしくお願いします。 時間もありませんので、これで一般質問を終わらせていただきます。 ○副議長(岩下学君) 次に、谷川孝君を指名いたします。谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 公明党大阪府議団の谷川孝でございます。 先般、二月議会におきましては、私ごとで大変御迷惑をおかけいたしまして、おわび申し上げる次第でございます。また、議長を初め皆様方から心温まるお見舞いをいただきまして、本当にありがとうございました。大変元気になりましたので、一般質問の機会をいただきまして、順次質問をしてまいりたいと思っております。 初めに、通学路における交通安全対策についてお伺いいたします。 四月二十三日の早朝、京都府亀岡市において、集団登校中の児童の列に暴走した車が突っ込むという痛ましい交通事故が発生いたしました。報道によりますと、この車を運転していたのは十八歳の少年で、無免許であり、事故を起こしたときは居眠りをしていたとのことでした。交通法規を無視した悪質で危険きわまりない車により、交通ルールを守っていた児童二人を含む三人の方のとうとい命が奪われました。やりきれない思いであり、亡くなられた方の御冥福を祈るばかりであります。 また、この事故から四日後には、千葉県と愛知県でも、集団登校中の児童の列に車が突っ込み、千葉県の事故では一人の小学生が亡くなられたとのことであり、大阪府においても、先日、交通事故で小学校の女の子が亡くなっています。私自身、教師をしていた経験もありますので、ルールを守って通学している児童が被害に遭うという交通事故が相次いで発生したことについて、大変心を痛めておる次第であります。 このような悲しい事故が起こるたび、通学路の交通安全対策の重要性を、今に始まったことではありませんが、痛感いたしております。無論、警察はもちろんのこと、社会全体が通学路の交通安全対策に取り組んでおり、事故防止の効果は非常に大きいものと確信しております。しかしながら、それでも今回のように事故が相次いだのを見聞きいたしますと、昨今、こういった子どもの交通事故がふえているのではないかと大変気になっております。 そこで、昨年及びことしの大阪府内における子どもが関係する交通事故の発生状況について、警察本部長にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 警察本部長坂口正芳君。 ◎警察本部長(坂口正芳君) 昨年及びことしの大阪府下におけます子どもが関係する交通事故の発生状況についてお答えいたします。 まず、昨年の交通事故の発生状況ですが、十五歳以下で、かつ中学生以下の子どもの関係する交通事故の発生件数につきましては二千七百四十九件で、全交通事故件数に占める割合は五・五%となっております。また、子どもの死者数につきましては七人で、全死者数に占める割合は三・六%となっております。子どもの負傷者数につきましては四千百七十三人で、全負傷者数に占める割合につきましては七%となっております。 次に、本年四月末現在の交通事故の発生状況ですが、子どもが関係する交通事故件数につきましては六百六十三件で、前年比マイナス七十九件となっております。これは、全交通事故件数に占める割合は四・四%ということになります。死亡事故につきましては、本年四月末までの発生はなく、前年比六人の減少となっておりましたが、既に報道等で御案内のように、五月十四日に小学生の女の子が亡くなる交通死亡事故が発生しております。負傷者数につきましては千九十八人で、前年比マイナス百十八人となっておりまして、発生件数、死者数、負傷者数のいずれも前年に比べて減少しているという状況でございます。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) ありがとうございます。実に悔しい思いでいっぱいでございます。ことしに入ってからは、大阪府内では、子どもの死亡事故は発生していないということでしたのに、悔しい思いを今しております。大阪で発生した交通死亡事故につきましては、現在、原因等を警察で捜査されていると思いますが、どんな原因にせよ、子どもが亡くなるという交通事故、悲しい思いがいたします。あってほしくはありません。 通学路の安全対策という問題は、今に始まったことではなく、これまでにもいろんな場面で取り上げられており、警察を初め学校関係者や道路管理者など、社会全体で真摯に取り組んでこられたことはよく承知しております。ただ、今回の京都の事故のように、居眠りをしている理不尽な車が突っ込んでくるという、幾ら交通安全対策を講じても防ぎ切れない事故が現実に発生しております。 このように、交通安全対策に万全ということはないと思いますが、それでも通学路の入り口に警察官が姿を見せて、ドライバーに対して注意喚起を与えることが事故を未然に防いだり、歩道にガードレールを設置することで、万が一交通事故が発生したとしても、被害を軽減できるのは間違いないと思います。通学路の交通安全の確保には、教育委員会や道路部局の努力が必要なのはもちろんですが、危険運転に対する指導取り締まりと事故防止への啓発は、やはり警察の皆さんの御尽力が欠かせません。 こうした児童らが巻き込まれる交通事故が相次ぐ中、通学路における交通安全対策をどのようにお考えでしょうか、警察本部長にお伺いいたします。 しかしながら、通学路の安全対策というものは、警察の対策だけで補えるものではありません。学校の取り組みも、また重要です。そこで、府教育委員会の通学路の安全対策への取り組みについても、教育長にお尋ねいたします。 ○副議長(岩下学君) 警察本部長坂口正芳君。 ◎警察本部長(坂口正芳君) 通学路におけます交通安全対策についてお答えいたします。 先ほど谷川議員御指摘のとおり、通学路の交通安全対策は大変重要であります。当府警察としましても、これまでも交通指導取り締まり、効果的な交通規制や交通安全施設の整備、保護者や児童に対する交通安全教育といった対策を総合的に推進してまいりました。 具体的に申し上げますと、一点目の交通指導取り締まりにつきましては、通行禁止規制路への進入車両の規制や取り締まりといった活動を実施しております。 二点目の効果的な交通規制や交通安全施設の整備につきましては、道路管理者、地域住民等と合同で毎年春秋に実施しています交通安全総点検や、平成二十二年に府下全域で実施しました通学路の一斉点検などの結果を踏まえまして、押しボタン式信号の整備や歩車分離式信号の導入、流入車両を抑制するための通行禁止等交通規制の実施、横断歩道の整備など、交通安全施設の整備事業を重点的に実施するとともに、より安全な歩行空間を確保するため、道路管理者に対しましては、歩道の整備等の要請をするなどの対策を講じてまいりました。 また、今回の京都などでの交通事故を受けまして、再度府下の全警察署に対しまして、新たに通学路に選定された道路や交通環境の変化等に伴い交通安全対策が必要になった箇所の調査等安全対策の強化を指示したところであります。 三点目の保護者や児童に対する交通安全教育につきましては、登下校時間帯の通学路等において、学校関係者や保護者などと連携しました児童の保護誘導や街頭指導、こういったものを実施したり、児童がみずから交通事故に遭わないような行動がとれるよう、新入学児童等に対する基本的な交通ルールの指導を行うなどの交通安全教育などを推進しております。 今後も、引き続きまして教育関係者や道路管理者などと連携を図りながら、通学路等の交通安全対策を図ってまいりたいと思っております。 ○副議長(岩下学君) 教育長中西正人君。 ◎教育長(中西正人君) ルールを守って通学をする何の罪もない児童が、登下校中の事故により犠牲になられましたことに対しまして、非常に痛ましく感じております。 通学路の安全確保につきましては、これまでも各学校におきまして、通学路のハザードマップの作成や教員を対象といたしました交通安全研修など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。 府教育委員会といたしましては、今回の事故を踏まえまして、各市町村教育委員会に対し、文部科学大臣の緊急メッセージとともに、改めて通学路の安全点検や安全確保を図っていただくよう通知をしたところでございます。 今後とも、その点検結果を踏まえつつ、警察や道路管理者など関係機関と連携をしながら、このような痛ましい事故が二度と起こりませんように、学校の通学路の安全確保に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 府警及び教育委員会におかれましては、通学路における交通事故防止のため、さまざまな取り組みをなされておられるとのことでした。 通学路の安全対策というものは、いろいろな関係者との連携強化が大変重要になってくるものと思います。例えば、通学路を選定する際には、事前にPTA、付近の住民、道路管理者、警察など、皆さんでしっかり話し合いをして、危険と思われる箇所があれば、たとえ遠回りになっても通学路の変更を行うなど、最適な交通安全対策を講じる必要があります。引き続き、通学路の交通安全対策につきましては、最善な対策を全力で実施することにより、子どもが関係する交通事故を一件でも減らしていただくことを強く要望しておきます。 次に、今後の土砂災害対策についてお伺いいたします。 昨年の東日本大震災による大津波の被害や、台風十二号の記録的豪雨による奈良県、和歌山県、三重県での大規模な土砂災害や河川のはんらんにより、多くのとうとい人命が失われ、また多数の家屋が倒壊し、住民の方の住居が失われたことは、痛ましい記憶として残っております。 地震による津波に対しては、その対策について、国や各自治体で検討が進められていますが、北、東、南の三方が山に囲まれてる大阪府においては、大雨による土砂災害への対策も津波対策に劣らず重要であります。私が暮らしております東大阪市でも、生駒山のふもとまで住宅開発が進み、一たび土砂災害が発生すれば、甚大な被害になると心配をしております。こうした状況のもとで、府民の生命、財産の安全安心を守るという行政の役割が、これまでにも増して重要であるということは言うまでもありません。 現在、都市整備部では、今後の土砂災害対策の進め方について、学識者から構成される委員会を設立し審議を行っているとのことでありますが、委員会での審議状況について都市整備部長にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 都市整備部長村上毅君。 ◎都市整備部長(村上毅君) 今後の土砂災害対策の進め方検討委員会の審議状況についてお答えいたします。 本委員会は、大阪という都市部においてハード対策、ソフト対策両面から、いかに効率的、効果的に土砂災害対策を進めるかを検討することを目的に、昨年十一月に関係市の参加も得て設立し、五回の審議を経て中間報告が示されました。 中間報告では、人命を守ることを最優先に、府内での土砂災害による犠牲者ゼロの継続を基本理念とし、第一に逃げる施策として、住民みずから率先して避難行動をとるために、危険箇所の明確化と住民への周知、警戒避難体制の整備、並びに住民の防災意識の向上を優先的に実施すること、第二にしのぐ施策として、危険な箇所での新規開発の抑制を図るため、土砂災害防止法に基づく特別警戒区域の指定を推進すること、第三に防ぐ施策として、例えば土石流対策については、災害発生の危険度と災害発生時の影響に加えて、地元の逃げる施策への取り組みも評価し、対策箇所の重点化とコスト縮減を図ることなどについて提言がなされました。 今年度も、引き続き逃げる、しのぐ施策として、土砂災害対策全般にわたり、土砂災害防止法に基づく区域指定の方針や警戒避難体制の具体的方策について検討してまいります。また、防ぐ施策として、急傾斜地崩壊対策における施設整備のあり方や、府、市町村、住民の役割分担について継続して審議してまいります。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 近年は、また想定を超える災害が全国各地で発生しており、周辺地域へ与える影響は大きく長期化しております。施設整備だけでは、一〇〇%の安全が得られるとは言えません。このため、土砂災害が発生するおそれがある区域を明らかにして、府民と行政がその危険性を共有することは、ハード・ソフトの施策のそれぞれを実施する上で基本となるものであります。まず、第一に推進する必要があると認識をいたしております。 しかしながら、府民とその危険性を共有することは、各施策のスタートラインにすぎません。その後に、住民みずからが率先して避難行動をとること、そしてそのために大阪府としてどのような取り組みを実施するかが重要であります。 土砂災害が、いつどこで発生するのか正確に予測することは困難であり、市町村長みずからの基準に基づき避難勧告を発令しても、避難が空振りに終わることもあるでしょうが、地域住民が「避難したが、何事もなくてよかった」と思える地域社会を構築、醸成していくことが、住民の自主的で確実な避難行動につながっていくものであると考えられます。 そこで、さきにお答えをいただいた中間報告での住民みずから率先して避難行動がとれる地域社会の構築、醸成は、具体的にはどのようなものになるのか、都市整備部長にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 都市整備部長村上毅君。 ◎都市整備部長(村上毅君) 住民みずから率先して避難行動がとれる地域社会の構築、醸成に向けた取り組みについてお答えいたします。 土砂災害の危険性が高まった際に、住民みずからが迅速に避難行動をとるための支援として、土砂災害の発生のおそれがある区域、いわゆる土砂災害警戒区域周辺の住民に対して、市町村と連携し、幅広い年齢層の住民参加による地区単位のハザードマップの作成やハザードマップを活用した避難訓練の実施など、地区ごとでの住民参加型の取り組みを進めております。 特に老人福祉施設や幼稚園などの災害時要援護者施設に対しましては、一昨年、土砂災害警戒区域に立地するすべての施設を市町村とともに戸別訪問し、災害リスクをお知らせするとともに、防災情報の収集に役立てていただくため、防災情報メールへの登録を御案内しております。土砂災害防止月間である六月までに、市町村などと連携し、危険箇所に存在するすべての災害時要援護者施設に対し、再度戸別訪問を行い、施設管理者との土砂災害の現状や行政が提供してる情報の共有、並びに緊急時の情報伝達体制や避難行動の確認など、施設の警戒避難体制づくりを支援してまいります。 このように、人命を守ることを最優先という基本理念に基づき、住民みずからが自主的に避難行動をとることができるよう、地区ごとに、災害時要援護者施設ごとに、きめ細かく具体的な取り組みを進めてまいります。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) ハード面、ソフト面の両方から災害対策をとることが非常に大切であることを強調して取り組みを進めていただきますよう、強く求めておきます。よろしくお願いいたします。 続きまして、ため池の耐震対策についてお伺いいたします。 私は、ため池の防災対策についても非常に重要であると考えております。私の住む東大阪市には、日下町、東豊浦町などの生駒山ろく部地域の密集した住宅地のすぐ上にため池があります。下流には、密集した住宅地が迫っておりまして、万一決壊した場合、非常に大きな被害があると考えられます。大阪府では、大雨などによるため池災害を防ぐために、老朽化したため池の改修を進めてきたと聞いておりますが、安全なまちづくりに向け、今後も引き続き計画的に取り組んでいってもらいたいと思います。 ところで、さきの東日本大震災では、多くの農業用ため池が損傷を受けており、福島県の内陸部では堤が決壊し、死者、不明者合わせて八名という甚大な被害が起こっております。国においても、こうした事態を重く受けとめ、ため池にかかわる国庫補助金制度の充実を図ったと聞いております。 ため池は、農業用水源としての役割だけでなくて、火災時の防火用水確保、あるいは都市生活に安らぎと潤いを与える水辺空間を提供する重要な役割を担っています。震災以来、地域の方々から、ため池の安全性確保を強く求める声が寄せられており、早期の対策と情報提供が望まれるところであります。 大阪府地域防災計画によれば、万一決壊すれば、甚大な被害が予想される水防ため池として約八百五十カ所が位置づけられ、ソフト面を含め、いざというときには必要な対策が講じられることになっております。しかしながら、都市化が進行し、身近に多くのため池がある大阪では、万一の大規模地震なども見据え、常日ごろから効果的なため池の減災対策を進めておくことが重要と考えられます。ため池の減災対策についての環境農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 環境農林水産部長中村誠仁君。 ◎環境農林水産部長(中村誠仁君) ため池の耐震及び減災対策についてお答えをいたします。 まず、老朽ため池の改修につきましては、昭和二十八年以来、府独自に改修計画を策定し、大雨によって決壊することがないよう、堤の改修や洪水時に安全に池の水を下流へ流すための施設整備などに取り組んでいるところでございます。 また、平成十八年度からは、国の中央防災会議などから出されました東南海・南海地震などの大規模地震の地震動に関する新たな知見を踏まえまして、万一決壊した場合に、下流への影響が大きいため池を改修する際には、必ず耐震性診断を行い、対策が必要な場合には、通常の改修に加え、地盤改良工事を行うなど、全国に先駆けた耐震対策を講じてまいりました。 一方、昨年の東日本大震災の教訓を踏まえまして、ため池の耐震診断を速やかに実施できるよう国に要望いたしました結果、新たに国庫補助制度が設けられましたので、その活用を図り、堤の高さが二十メートル以上、貯水量が百万トン以上あるなど、府の地域防災計画で水防ため池A級と位置づけられております九カ所について、昨年度から耐震性の調査診断を行っているところでございます。 今年度は、東大阪市の日下新池など、A級ほどの規模ではないにしても、水防ため池について被災時の影響を踏まえまして、耐震性の調査診断を順次進める予定でございます。その上で、耐震性に課題ありと判断したため池につきましては、地元市町村やため池管理者と直ちに協議を行い、計画的かつ速やかに対策工事に入れるよう努めてまいります。 さらに、ハード面のみならず、減災という観点からソフト面の対策といたしましては、市町村が作成をいたしますハザードマップづくりの支援や、ため池管理者と連携した定期的なモニタリング、地域の方々の防災意識の向上、被災時の連絡体制整備を進めるなどによりまして、平時からの備えを持った総合的なため池の減災対策を進めてまいります。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 災害は、いつ起こるかわかりません。災害により決壊等の危険が懸念されるため池については、早急に改修を行っていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。 続きまして、府市の信用保証協会の統合についてお伺いいたします。 府内企業を取り巻く経済環境については、一時の最悪期は脱したものの、円高や電力不足の長期化など依然として厳しいものがあり、まだまだ政策的な下支えが必要な場面も少なくありません。中小企業者の資金調達のパートナーでもある信用保証協会への期待は、大きいものがあります。 先日の府市統合本部会議において、府信用保証協会が市信用保証協会を来年度中に吸収合併することとし、そのための準備組織を立ち上げるとの方針が決定されたと聞いております。もとより、二重行政の解消は重要な課題でもあり、保証協会の統合そのものについては否定するものではありませんが、早期の統合という結果ばかりを求め、そのために、現在、府保証協会が果たしている機能、役割が損なわれるようなことがあれば、本末転倒であります。さきの二月議会において、知事は、保証協会の統合については、市保証協会を清算する方法が合理的であるが、清算には課題があることから、具体策について検討しているところであるとの答弁をされていましたが、今回、吸収合併という統合方式となった経緯及び判断について、商工労働部長にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 商工労働部長笠原哲君。 ◎商工労働部長(笠原哲君) 大阪府中小企業信用保証協会と大阪市信用保証協会の統合方式についてお答えを申し上げます。 府市保証協会の統合につきましては、外部委員にも御参画をいただきながら、中小企業の円滑な資金供給及び二重行政の解消を目的に検討してきたところでございます。外部委員の事業分析及び評価によりますと、ほとんどの経営指標におきまして、府保証協会が市保証協会よりも優位にあることから、統合は府保証協会主導で行うべきである、手法については、清算、合併、事業譲渡などあるが、府保証協会が主導できる限りにおいて方式は問わないが、統合コストや時間のかからない方式を選択すべきとの御意見をいただいているところでございます。 外部委員の御意見を参考にしながら、大阪市と協議を進めてきたところでございますが、統合に当たりましては、大阪市の御理解も得て円滑に進めることが不可欠でございますので、吸収合併方式が現実的な統合手法であるとの合意に至ったものでございます。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 今回の決定に至る経緯につきましては、理解いたしました。ただ、新聞報道によれば、府信用保証協会と比べて市信用保証協会の財政基盤は弱く、また市協会の審査のほうが府協会の審査よりも甘いとの指摘もあるとのことです。信用保証協会の統合は、何よりも府内中小企業の資金供給の円滑化に資するものでなくてはならず、統合によって府協会の組織力、財政力が低下し、府保証協会が現在果たしている機能、役割が損なわれるようなことがあってはなりません。 今後、府も参画した形で統合に向けた準備を立ち上げるとのことですが、府として統合に向けてどのような基本方針で臨まれるのか、知事にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 谷川議員の御質問にお答えをいたします。 議員お示しのとおり、合併によって信用保証協会の機能が低下をし、利用者に負担がかかるようなことになっては、これはだめだというふうに思っております。府としては、合併後の保証協会の財務基盤が悪化しないかどうか資産査定を行い、必要であれば大阪市に財政負担を求めるなど、安定的な財務基盤を維持することというのがまず一つ。府の今の財務基盤と同程度のところまではやはり並んでいただかないと難しいと、並んでいただくという方向で話します。統合後の組織は、経営の効率化にかなうものであることを基本方針として協議に挑み、合併後の保証協会が、府内中小企業者への円滑な資金供給という役割をしっかりと果たしていくように取り組んでまいります。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 私の住んでおります東大阪市は、中小企業のまちであります。いわば、大阪府の縮図のような地域です。中小企業に活気が戻らない限り、地域経済の活性化はなく、信用保証協会に対する期待は大きいものがあります。 府の保証協会は、大阪を地盤とする地銀二行の事業性貸出金残高に匹敵する約二兆七千億円もの保証残高を有しております。単に府市の出資法人が合併するというレベルではなく、いわば銀行の合併並みの大変な取り組みで、影響は大変大きいものがあります。それだけに、統合によって協会の組織基盤、財政基盤が弱体化するようでは、結果として府内の中小企業者、さらには大阪産業が大きな打撃を受けることになります。そうなれば、取り返しがつきません。 これは、何回言っても言い足りないことですが、府市の信用保証協会の統合によって、現在のサービスが低下してはなりません。多くの府内中小企業が、統合メリットを享受できるような統合を目指していただきたい。知事も、経営者ですので、十分におわかりであると思います。その点をどうか肝に銘じられ、経営者としての立場からも、しっかりかじをとっていただきたいと思います。統合に向けた今後の協議におきましては、財政負担も含め、大阪市にも言うべきことは言っていただく、場合によっては、知事みずから市長に物を申すというぐらいの強い思いで取り組んでいただきますよう強く要望しておきます。よろしくお願いします。 最後に、大阪の教育についてお伺いいたします。 さきの二月議会で大阪府教育行政基本条例及び大阪府立学校条例が成立し、今年度四月一日より施行されております。現に施行されているこれらの二つの条例ですが、現実には教育振興基本計画はまだ定められておりません。その上、これらの条例を具体的に施行していく諸機関についても、まだ決まっていないのが現状ではないでしょうか。 学校現場では、校長が学校協議会の意見をあらかじめ聞いた上で、毎年、学校経営計画を定めなければならないとされております。府立学校条例において、全府立学校に設置することになった学校協議会は、各学校が開かれた学校づくりを推進する上で重要な責務を担うことになりますが、今後の運営について教育長にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 教育長中西正人君。 ◎教育長(中西正人君) 学校協議会についてお答えをいたします。 条例に基づく学校協議会は、学校経営計画に定めた教育目標の達成状況に対する評価を含む学校評価に関する事項や、教員の授業その他の教育活動に係る保護者からの意見の調査審議に関する事項などについての協議を行いまして、校長に対して意見を述べるという役割を担っております。 このように、校長が学校運営の改善を図ります上で、学校協議会が重要な役割を果たしますことから、保護者からの申し出に対する対応も含めました学校協議会運営マニュアルを作成いたしまして、この四月に全府立学校の校長に周知をいたしました。今後、校長が委員候補の選定を行いました上で、六月に府教育委員会に具申を行い、委員の審査、任命作業などを経まして、八月には学校協議会が発足をする予定でございます。 教育委員会といたしましては、学校協議会が各学校におきまして設置目的に沿った運営を行うことができますように、適宜指導助言に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 学校協議会の責務が重くなることから、各学校ではさまざまな対応が必要になるものと思われます。また、校長の役割もさらにふえます。今後も、校長のサポートについて十分御留意いただき、校長と保護者との連携協力、学校運営への参加の促進、及び保護者の意向を反映できる学校協議会となるよう、運営をお願いいたします。 公明党は、今まで、すぐれた先生を採用するために、学力だけではなくて、人となりが大切ということで、一次試験から面接を実施するよう言ってまいりました。それが実施されるようになり、今若い先生は、学力だけではなくて、情熱あふれる人間的にすぐれた先生が採用されております。 しかし、子どもたちへの教育をしっかりしていく上で、指導が不適切な教員への対応はなおざりにはできません。府教育委員会として、現在どのように対応しているのか。また、府立学校条例、教育行政基本条例が制定されたが、今後どのように取り組みを強化していくのか、教育長にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 教育長中西正人君。 ◎教育長(中西正人君) 指導が不適切な教員に対する取り組みについてお答えをいたします。 指導が不適切であると思われる教員に対しましては、校長の日常的な教育活動の観察指導や校内での研修によりまして、早期の改善を図ることを基本としておりますが、府教育委員会からも、指導主事や校長OBで構成をいたします教員評価支援チームを派遣いたしまして、対応方策をともに検討するなど、校長や市町村教育委員会を支援いたしております。また、校内の指導では改善が見られない者につきましては、府教育センターにおきまして、三カ月から四カ月間の指導改善研修を実施しており、また必要に応じまして研修期間の延長も行っております。 今年度は、この指導が不適切な教員の判断に当たりましての新たな基準を策定いたしますとともに、教員評価支援チームの派遣回数をふやし、校長や市町村教育委員会の支援を強化いたしております。 さらに、府立学校におきましては、授業アンケートなどによります生徒の意見や、学校協議会を通じた保護者の意見を反映する仕組みを導入し、指導が不適切である教員の対策をさらに強化をしていきたいと考えております。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 指導不適切教員が抱えてる問題点は、教員一人一人さまざまだと思います。学校を取り巻く環境が変わり続ける中、一人一人さまざまな問題点を抱えた指導が不適切と認定された教員が、再び現場に戻るためには、各人に応じた指導改善研修等の内容の充実が必要と考えますが、研修の内容について新たに考えてることがありますか、教育長にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 教育長中西正人君。 ◎教育長(中西正人君) 指導が不適切と認定された教員への研修についてでございますが、教育センターにおきます指導改善研修では、専任の指導員のもと、教員に必要な実践的な知識、技能の習得や指導方法の改善に努めております。今年度、新たに、研修がより効果的なものとなりますように、専門性の欠如、指導技能の未熟さ、対人関係上の課題と、こういった指導上の課題の類型ごとに研修メニューを体系化いたしました。 また、人間関係を構築することが苦手であるなどの対人関係上の課題がある者につきましては、今年度より教育センターに配置をいたしました臨床心理士のアドバイスを参考にしながら、効果的な研修を実施するシステムをスタートさせたところでございます。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) もし指導改善研修等によっても改善の見込みがない教員に対しては、どのような対策を講じるお考えでしょうか、改めて教育長にお伺いいたします。 ○副議長(岩下学君) 教育長中西正人君。 ◎教育長(中西正人君) 指導改善研修の終了時点におきまして、改善が見込めないと判断をいたしました場合につきましては、教員の資質に関する諮問委員会の意見を聞きました上で、子どもの学習をしっかりと保障し、保護者、府民の教育に対する信頼にこたえます観点から、分限免職を含めまして厳格に対応してまいります。 ○副議長(岩下学君) 谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 大阪府教育行政基本条例及び大阪府立学校条例について教育長から御答弁をいただきました。私、子どもたちにとって最大の教育環境は、教師自身であります。不適切教員をなくしていく取り組みは、しっかりやってもらいたいと思います。 私も、新任教師のとき、校内暴力が吹き荒れる中、不適切教員になってしまいました。そして、やがて不登校になった経験がございます。このようなシステムが当時あれば、もっと早くだめ教師を返上できたのではないかなと思っております。 知事も、八尾市で熱い教育を受け、成長されたので、教育の重要性を心より認識されてると思います。今後、大阪の教育は大きく変わっていく、よりよく変わっていくと期待しております。 最後に、これからの大阪の教育をいかによくさせていくのか、知事の御決意をお聞かせ願います。 ○副議長(岩下学君) 知事松井一郎君。もう短くでいいですから……。 ◎知事(松井一郎君) 私といたしましては、グローバル化が進展し、大阪の子どもたちを取り巻く環境が一層厳しくなる中、しっかりと生き抜いていける自立した大人を育てる教育ができるよう、教育現場を変えていきたいという思いであります。谷川先生の現場での経験、いろんなことをまたお聞かせいただいて、現場主義ということも掲げておりますので、生徒、保護者、地域の声がしっかり届く教育現場にしていきたいと考えております。 ○副議長(岩下学君) もう時間がないんやけど、谷川孝君。 ◆(谷川孝君) 大阪の子どもたちのための教育を実施していただきますよう、よろしくお願いします。 以上で、私の質問を終わります。御清聴、大変ありがとうございました。 ○副議長(岩下学君) 以上で、通告の質疑並びに質問は終わりました。 これをもって上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問は、終結いたします。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(岩下学君) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、五月二十八日午後一時より会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」「異議なし」) ○副議長(岩下学君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。 五月二十八日の議事日程は、当日配付いたしますので、御了承願います。    -------◇------- ○副議長(岩下学君) 本日は、これをもって散会いたします。午後四時三十九分散会...